Texas Instruments(TI)は、200MHzで75dBcのIMD3(第3次混変調歪み)特性を実現する16ビット、800MSPSのインターポレーティングD/Aコンバータ(DAC)「DAC3283」を発表した。すでに量産出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(参考価格)は26.95ドルとなっている。

インターポレーティングD/Aコンバータ「DAC3283」

同製品は、7mm角のQFNパッケージで供給される小型DACで、ワイヤレス通信、SDR(ソフトウェア無線)、テスタ・計測およびパワー・アンプの直線性が求められる各種アプリケーションにおいて、基板実装面積の低減を実現する。1バイト幅の差動インタフェースのインターポレーションを行うことで、データ入力ピン数を50%低減できるとともに、より低価格のFPGAやASICで駆動することも可能となる。

また、中間周波数(IF)が153MHzの場合、シングル・キャリアWCDMAのACLR(隣接チャネル漏洩電力比)が81dBcのため、システム設計の簡素化が図れるとともに、スペクトル特性の向上が可能。さらに、インターポレータ・フィルタは2xおよび4xを選択できることから、800MSPSのDACのデータレートを活用しながら、より低いデータ入力レートを使用することができる。

加えて、I/Qの位相およびオフセット補正機能を備えていることから、50MHzから6GHzまでの送信周波数において、高性能を要求する第3世代、第4世代およびマルチ・キャリア・システムで直交変調器を駆動させることで、高い性能の提供が可能なほか、複数のDACの同期動作をサポートしていることから、アンテナのダイバーシティ機能および知的機能を使用する無線機において、設計の複雑さを緩和することができる。