プライスウォーターハウスクーパース(以下、PwC)は4月6日、年次レポート「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較」を発表。東京は交通・インフラ面でトップとなった一方で、コストや居住適正の面で低いランクとなったことがわかった。

同レポートは、産業や金融、文化の中心となる世界の主要21都市について、2009年に同社と米Partnership for New York Cityが共同で収集したデータをもとに、10の領域と58の指数を使って都市を活性化する要素 (=都市力) を分析したもの。

その結果、10の領域における「交通・インフラ」(Transportation and infrastructure)に関して東京が21都市中トップとなったことが判明したほか、「健康・安全・治安」(Health, safety and security)や「知的資本」(Intellectual capital)、「テクノロジー知能指数・技術革新」(Technology IQ and innovation)という3つの領域においてもトップ3に位置することがわかった。

「テクノロジー知能指数・技術革新」に関しては、ニューヨーク、シカゴに次いで3位にランキングされているものの、構成指数の1つである「情報やコミュニケーショーン・テクノロジーの活用能力、ビジネスや法制度の透明性」(E-readiness)については、21都市のなかで中位以下にあるという。また、ビジネスのロケーションや進出先の決定に際して最も基本的な条件となる「生活・産業のコスト」(Cost)については、東京が最下位となっている。

同社は、「長く世界の主要都市の座にあるニューヨーク、ロンドン、パリ、東京は経済面での強みや知的生産性などに関連した指数においてこれまで同様優位を保っている」としながらも、「シカゴ、トロント、シドニーなどのいわゆる"第2の都市"と呼ばれるグループが、居住適性や持続可能性、コストなど、東京が中位以下にとどまっている多くの面で、優勢になってきている」と指摘している。

同レポートにおける21都市の「テクノロジー知能指数・技術革新」領域の"都市力"ランキングは以下の通り。

  • 1位 ニューヨーク
  • 2位 シカゴ
  • 3位 東京
  • 4位 シンガポール
  • 4位 ストックホルム
  • 6位 ロサンゼルス
  • 7位 フランクフルト
  • 8位 ロンドン
  • 9位 香港
  • 10位 ソウル
  • 11位 シドニー
  • 12位 パリ
  • 13位 北京
  • 14位 トロント
  • 15位 上海
  • 16位 サンパウロ
  • 17位 ドバイ
  • 18位 サンチアゴ
  • 19位 ムンバイ
  • 20位 ヨハネスブルグ
  • 21位 メキシコシティ