公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」は毎年、新入社員のタイプを命名して発表を行っている。このほど同研究会は、平成22年度新入社員のタイプを「ETC型」と発表した。この命名は新卒入社者の特徴を検討して行われている。
同発表によると、ETC型について、「性急に関係を築こうとすると直前まで心の「バー」が開かないので、スピードの出し過ぎにご用心。IT活用には長けているが、人との直接的な対話がなくなるのが心配。理解していけば、スマートさなど良い点も段々見えてくるだろう。"ゆとり"ある心を持って、上手に接したいもの」と評している。
厳しい就職戦線をくぐり抜けてきた今年の新入社員は、携帯電話の利用などのITリテラシーが高く情報交換も積極的で、物事をスムーズに進めるようなスマートさもあるほか、CO2の排出量削減など環境問題への関心も高いという。
しかし、ETCではドライバーと徴収員との対話がなくなったように、効率性を重視するあまり人との直接的なコミュニケーションが不足する場面もあると、同研究会では指摘している。
加えて、打ち解けて心を開くまで時間がかかるので、上司や先輩は急速に親密になるのではなく、ゆとりをもって接したほうがよいと同研究会はアドバイスしている。これにより、彼らのスマートさやIT活用の器用さなどメリットも見えてくるとのこと。
ちなみに、平成21年度の新入社員は「エコバック型」と命名されている。エコバック型については、「環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい。小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要がある。酷使すると長持ちしない(早期離職)が、意外に耐久性に優れた面もあり、活用次第で有用となるだろう」という特徴がまとめられている。