STMicroelectronicsは、前世代品と比較して消費電力の低減などの効率化を実現したステレオ・ヘッドホン・アンプ「TS4621」を発表した。すでにサンプル出荷中で、量産は2010年4月に開始する予定。単価は1,000個以上購入時に0.95ドルとなっている。

携帯機器向けG級ステレオ・ヘッドホン・アンプ「TS4621」

同製品は、従来のアナログ・アンプが持つオーディオ性能を実現し、多くのオーディオ信号レベルに対してより低い電源電圧で動作することで消費電力の低減を実現しており、2個の電源に接続している場合、ピーク・レベルのオーディオ出力が要求されるわずかな時間のみ、高電圧の電源電圧を使用する。G級の携帯型機器用ヘッドホン・アンプである。このため、AB級オーディオ・アンプである従来品「TS4601」比で静止電流は1/4を実現している。

-60dBから+4dBのデジタル・ボリューム制御が可能な業界標準I2Cインタフェースや、ポップ/クリック・ノイズを低減するON/OFFスイッチ回路などの機能を備えており、システム設計を簡素化することが可能だ。また、小型CSP(1.65mm×1.65mm)に実装されるため、ヘッドホンコネクタの近辺に配置することで、オーディオ性能の最適化も可能となっている。

同製品の主な特長は以下のとおり

  • THD+N:0.006%(1kHz時)
  • PSRR:100dB(217Hz時、GSM信号に対する高ノイズ耐性)
  • SNR:100dB(ゲイン0dB時)
  • 静止電流:0.6mA/チャネル
  • アクティブ電流:2.1mA/チャネル(オーディオ出力100μW時)