まもなく正式公開予定の"Lucid Lynx"ことUbuntu 10.04は久々のLTS(長期サポート版)ということもあり、全世界のLinuxユーザが大きな期待を寄せているバージョンだ。だがUbuntuファウンダーでSABDFL(self-appointed-dictator-for-life: 慈悲深い終身独裁者)のMark Shuttleworth氏の目はすでに次のリリースを向いている。同氏は4月1日(現地時間)、10月リリース予定のUbuntu 10.10について、その構想をブログで発表した。気になるコードネームは"Maverick Meerkat" - 型破りなミーアキャット。まさしく型破りなそのネーミングに込められた意図ははたしてどこにあるのだろうか。
Shuttleworth氏はミーアキャットをUbuntu 10.10のマスコットに選んだ理由として、「ミーアキャットは、ライトですばやく、そしてソーシャル(社会的)な動物。"パーフェクトな10.10(Perfect 10)"に必要なすべての特徴を備えている」と語っている。さらに「今はまさに変革のとき。我々はメジャーなメーカーから出荷されるコンシューマ向けPCのすべてにUbuntuを搭載したいと願っている。そのためには大胆で型破り(maverick)なアイデアが必要だ」としている。
同氏は「我々の新しいテーマは"Light"だ」と明言している。このライトという言葉の意味するところとして、ネットブックエディションであるUbuntu Netbook Edition(UNE)の強化が真っ先に挙げられている。ネットブックにおける最速の起動、最速のネットワーク接続、最速のブラウザ環境を目指すとしており、「コンシューマにとってもパワーユーザにとっても、UNEが最高のネットブックOSであることを確実にしたい。それこそが我々のゴール」と強い意欲を見せている。
気になるGNOME 3.0の採用についてはとくに何も触れていない。GNOMEはようやく2.30が出たばかりの段階なので明言を避けたと思われるが、10.04での採用が見送りになったことで落胆したユーザは多いだけに、Shuttleworth氏としてもなんとか10.10では搭載したいところだろう。
すばやい起動に軽い動作、そしてソーシャルアプリケーションの充実、それをデスクトップでもネットブックでも実現する ‐Perfect 10の理想にどこまで近づけることができるのか、今からさっそく注目していきたい。