富士通は4月1日、宇宙航空研究開発機構が事務局を務める「センチネルアジア STEP2」システムを構築し、3月31日より本格稼働したことを発表した。同システムはアジアにおける防災・減災活動を支援するため、アジア各国の政府機関が保有する地球観測衛星で取得した衛星画像を、衛星やインターネットの通信を利用して配信するもの。
台風、洪水、地震、津波などの大規模自然災害時に、同システムを通じて各国からの要求を受け付け、画像の提供を行う。これにより、各国が迅速に防災活動に取り組むことが可能になる。
同システムの衛星とインターネットの通信には、富士通の高速ファイル転送ソリューション「BI.DAN-GUN」が組み込まれている。これにより、遠距離間の通信や回線品質が不十分な環境で転送効率を高まり、インターネット環境が十分に整備されていない地域にも確実に衛星画像配信が実現される。
同システムは、衛星写真画像中の災害地域を明確にできるよう、地図・標高・土地利用情報などのコンテンツを重ね合わせて表示できる「WEB-GIS」サービスを提供するほか、気象庁、東京大学、オーストラリア・タイ・シンガポールの研究機関から雨分布画像、森林火災情報、気象衛星画像を取得し、地域サーバや各国の機関に定期配信する。
同システムには、富士通のPCサーバ「PRIMERGY」9台、ネットワークディスクアレイ「ETERNUS NR1000」、クラスタソフトウェア「PRIMECLUSTER」が採用されている。