前裁判の判決破棄を受け、死の淵から蘇った米SCO Groupが再びUNIX関連の知的所有権訴訟を繰り広げていた件で、米ユタ州の連邦地方裁判所の陪審員は3月30日(現地時間)、Novellが主張していた同社のUNIX知的所有権の保有を認める判決を出した。オープンソース界を騒がせていたSCOの闘争劇第2ラウンドは、半年の時を経てようやく終了することになった。
今回の裁判の経緯を簡単に振り返っておくと、一連のUNIX闘争で知的所有権(IP)の帰属がNovellに認められたことで集結した裁判はその後、裁判で資金を使い果たしたSCOの2007年の連邦破産法第11章(チャプター11)申請で幕を閉じた。だがチャプター11申請後に資産売却や投資会社からの資金引き出しに成功したSCOは、2009年8月に米コロラド州デンバーの第10巡回区控訴裁判所で行われた審査でNovellへのUNIX IP帰属を認めた判決の破棄を受け、再びNovellを相手にUNIX訴訟を仕掛けていた――というのが一連の流れだ。不死鳥のごとく蘇り、不死身の体力で7年間にわたって多くの裁判を続けてきたSCOの最後の反撃だったといえる。
今回のソルトレイクシティの連邦地裁での陪審員裁定を受け、一度破棄されたNovellへのUNIX IP帰属が再び認められたことになり、SCOは反撃の糸口を失った形となる。だが裁判は完全に終了したわけではなく、まだいくつかの問題を抱えて続くことになるという。米Wall Street Journalの同日付けの報道によれば、今回の判決でほとんどの問題は終了したものの、実際のSCOによるIP利用の可否など、いくつかの点で判断すべき内容が残っているという。SCO弁護士のStuart Singer氏は「判決には失望したが、陪審員の絡まない裁判で判定されるべき重要な問題がまだいくつか残っている」と、最後まで裁判を諦めないことを表明している。