環境省は3月29日、愛知県豊橋市・田原市、愛媛県伊方町において実施した騒音・低周波音の実態把握のための調査の結果を発表した。同調査は、3地域に隣接する風力発電施設に関して低周波音の苦情が寄せられたことから実施したもの。
豊橋市には、エムアンドディーグリーンエネルギーが運営する「細谷風力発電所」がある。風力発電設備(1500kW)から約680m離れた所に位置する豊橋市の苦情者宅内では、風力発電設備の稼働・停止による明確な騒音・低周波音の変化は確認できず、また、風力発電設備の近傍測定点で観測された31.5Hzや160~200Hzに特徴のある騒音・低周波音は測定されなかった。
田原氏には、エムアンドディーグリーンエネルギーが運営する「久美原風力発電所」がある。風力発電設備(1500kW)から約350m離れた所に位置する田原市の苦情者宅内では、稼働・停止による騒音・低周波音の変化が測定されるとともに、風力発電設備の近傍測定点で観測された160~200Hzに特徴のある騒音が測定された。
愛媛県伊方町には、四国電力・伊方町・丸紅による第三セクターの三崎ウインド・パワーが運営している「三崎ウインドパーク」がある。風力発電設備(1000kW)から約210m、240m離れた伊方町の苦情者宅内では、稼働・停止による騒音・低周波音の変化が測定されるとともに、風力発電設備の近傍測定点で観測された31.5Hzや160~200Hzに特徴のある騒音・低周波音が測定された。
環境省は今回の調査結果を踏まえ、「他の風力発電施設の風車音でも同様の傾向を示すか」、「周波数成分の発生源は何か」を調べるとともに、風車音の音圧レベルが風車の回転数の変化に伴って変動することから、音圧レベルが変動する騒音・低周波音に着目して音の発生実態や人の感じ方などについて調査する必要があるとしている。