三菱電機は3月25日、FTTH(Fiber-To-The-Home)の通信速度を、現行の1Gbpsから10倍の10Gbpsに低コストで高速化する技術として、GE-PONと次世代の10G-EPONの光信号を混在して送受信できるデュアルレート・バースト光トランシーバを開発したことを発表した。
現在の光アクセスネットワークは、伝送速度が1GbpsのGE-PONが導入されているが、インターネット・トラフィック(データ量)が増大するとともに、高精細ビデオ配信、大容量ファイル転送などの需要が急速に伸びると予測される中、従来の10倍となる10Gpbsへ伝送速度を高速化した光アクセスシステム10G-EPONの実用化が進められている。
こうした背景から、同社でも10G-EPON単独のバースト光トランシーバを開発済みで、2009年に10G-EPONとGE-PONを混在収容可能なシステムの試作も行っていた。
今回の成果として、局側装置(OLT:Optical Line Terminal)に収容可能で-31.2dBm(10Gbps受信時)、-35.6dBm(1Gbps受信時)の最小受信感度、10G-EPONとGE-PONを800ns以下で切り替え可能、82.5GSpsで動作するデュアルレート対応サンプリングCDR(Clock and Data Recovery)を実現したデュアルレート・バースト光トランシーバを開発、加えてロスバジェット29dB、最大分岐数32分岐、最大伝送距離20kmに対応した光学特性を有しており、10G-EPON規格であるIEEE802.3av PR30の完全準拠を達成している。
なお、同社では今後、今回開発した同トランシーバを搭載した10G-EPONシステムの開発を進めていくとしている。