2009年6月30日に「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」(産業再生法)における事業再構築計画が認定されたエルピーダメモリは3月25日、骨子である台湾DRAMメーカーとの連携およびこれに伴う資金調達の状況が変化したことを理由に申請していた事業再構築計画の変更が認定されたことを明らかにした。

同計画は当初、台湾当局主導によって設立され、台湾DRAMメーカーを束ねる立場のDRAM企業「台湾創新記憶体(TIMC)」との技術提携により、その見返りとしての200億円の資金提供を受けるというものだったが、TIMCへの公的資金導入が台湾立法院で否決されるなどの動きがあったほか、エルピーダもDRAM価格回復などの要因による資金不足解消ならびに単独で2009年11月にProMOS Technologies(茂徳科技)およびWinbond Electronicsと生産委託契約を締結しており、TIMCとの提携そのものが事実上の凍結状態となっていた。

そのため今回、「事業再構築に係る事業の目標」の一部を下記のように変更、より個々の台湾DRAMメーカーとの連携強化を進めていくことを強調する形となった。

変更前

現在、台湾当局主導により台湾DRAMメーカーを1つのDRAM企業(台湾メモリーカンパニー(仮称)(以下「TMC」という。)(平成21年度中に設立予定))に集約させる検討が進められているが、そのTMCとの連携を強化し、資本面での提携も視野に入れた関係を構築・強化する方向で協議・調整を行う。

変更後

DRAM産業の再編に向け、台湾DRAMメーカーとのファウンドリ契約を進めた上、日台間の連携、支援措置の活用を含め、さらなる提携も視野に入れて関係を構築・強化する。

なおエルピーダでは、同計画変更によって当初計画の事業目標、数値目標などの変更はないとしている。