イデアインターナショナルは、初台のアップルジャパン本社にて、プロフェッショナル映像クリエイター向けセミナー「Final Cut Studioのハンズオンセミナー」を開催した。本レポートでは、そのセミナー内で行われた初心者向けハンズオンセミナー「はじめての動画編集」の模様について紹介していく。

「Final Cut Pro」をはじめとしたクリエイティブ系ソフトウエアをビデオで詳しく学べるオンライン学習サイト「BeHub.JP」による本セミナー。講師は、数多くの映像作品を手がける映像制作プロダクション「Studio DU」の池田耕造氏。受講者は、ひとり1台ずつMacを使用し、実際の説明を聞きながら操作を基本から行えるスタイルで実施された。

本セミナーでは、あらかじめ撮影された映像素材(AVCHDフォーマット)を、Final Cut Proに「ProRes 422 (Proxy)」として読み込むところから講義がスタート。「切り出し転送」機能などで標準的にサポートされているAVCHDは、テープレスメディアから簡単にFinal Cut Proへの取り込みを行えることや、ビデオコーデックなどに関する特徴や設定などについて、分かり易く説明が行われた。

最初に初心者がつまづきがちな、テープレスメディアからのビデオの取り込み方法や種類、ProRes 422などのビデオコーデックなどを丁寧に紹介した

Final Cut Pro上に読み込まれた映像は、編集時にも非常に美しく表示されており、かつ快適に編集が行える。池田氏は、ソフトウェアの標準的ユーザーインタフェースである"ブラウザ"、"キャンバス"、"ビューア"などの機能を、"冷蔵庫"、"調理台"、"お皿"といった料理関係のアイテムに例えて分かりやすく解説した。さらに、基本的な映像編集に必要となる、素材の選び方、イン/アウトポイント(使用範囲)の設定、素材の挿入と上書き、消去などの操作方法を、効率的な作業を実現するショートカットキーや具体的な使用事例ととにも紹介した。

作業の過程を順番に説明し、初心者でも一通りの編集が行えるような配慮がなされた。ハンズオンセミナーのメリットは、ユーザーがこれら一連の作業を自分自身で実践しながら、より理解を深められることだろう

また、セミナー後半では、応用編として「引き」と「寄り」のふたつの映像素材の中から、特定のアクションポイント(編集点)を見つけ出し、その素材同士を効果的につなげるテクニックを紹介。そのほか、マーカーやカミソリツールを使った編集や、映像同士をスムースにつなぐためのエフェクト効果「トランジション」の適用方法のコツやノウハウも惜しみなく披露された。

「編集点の設定時には、基本的には次につなげる素材が"ネタバレ"にならないように、配慮しておくべき」などの細かなアドバイスも行われた

最後に、ProRes 422 (Proxy)で編集が完了したプロジェクトをベースに、オンライン画質のビデオコーデックとなる「ProRes 422」を使って再読み込みし、必要な素材部分のみを最小限の時間で高品質化するといった作業を実施し、セミナーは終了した。

なお、今回のセミナーと同様に、最近では現場での作業も、編集時は取り扱いやすい「ProRes 422 (Proxy)」や「ProRes 422 LT」などのビデオコーデックを採用し、編集完了後によりハイクオリティーな画質へと変更するといったプロセスが多くなっているとのこと。

「切り出し転送」を使って、必要部分のみを再取り込みして素材を高品質なものに変換。編集時には軽く、納品時には高画質というワークフローのスタイルは、Final Cut Proならではの便利さであることも強調されていた。セミナー終了後には、講師への質問を繰り返す多数のユーザーの姿も見受けられた

イベント参加者は、今回のハンズオンセミナーを通じてFinal Cut Studioがどのような製品であるかは当然のこと、その特徴や操作方法を理解し、自分の創作活動におけるより具体的な活用イメージを容易に想像可能になったはずだ。なお、セミナーに参加者には、Idea Digital Studioより、Macとソフトウェアのお得に購入できる特典プランなどの提案もなされていた。