英ARMは、量産型スマートカード/組み込みセキュリティ・アプリケーション向けにエネルギー効率を高めた「ARM SecurCore SC000(SCトリプル・ゼロ)プロセッサ」を発表した。

同プロセッサは、「ARM SecurCore」プロセッサ・ファミリの新製品で、ターゲット・アプリケーションの範囲をSIM、政府、銀行、交通、ID、条件アクセス用など、耐タンパー性を備えた接触型/非接触型スマートカード向けへと拡大している。

同分野ですでに実績を有するSecurCoreプロセッサ「SC100」と「SC300」を統一したもので、この2つのプロセッサは、これまでにAtmel、NXP Semiconductors、Samsung Electronics、STMicroelectronics、東芝など15社以上がライセンスを取得、2009年の32ビット・スマートカードの世界出荷数の50%以上に搭載されている。

また、セキュリティ性に加え、Cortex-M0で培った低消費電力技術を採用。これにより、同レベルの性能を従来コア比でエネルギー効率を3倍にしながら、1/3のシリコンサイズで実現することが可能となるという。

なお、ARMではすでに、スマートカード業界の大手シリコンベンダ5社のうち4社が、リリースと同時に同プロセッサ、および基礎となるARMv6Mアーキテクチャを利用した次世代セキュア機器の設計を開始しているとするほか、その他のベンダも、ライセンス取得に関して商談中とし、同プロセッサベースの製品は、早ければ2011年から量産出荷される見通しとしている。