ルネサス テクノロジは3月15日、地上デジタルテレビのフルセグ放送に対応した携帯電話機用アプリケーション・プロセッサ「SH-Mobile MT1」を開発し、4月にサンプル出荷を始めると発表した。このプロセッサを利用すると、フルセグ放送の視聴・録画・再生に対応した携帯電話機を容易に開発できるようになる。
同プロセッサはフルHD(1920×1080画素)画像30fpsのMPEG-2デコード処理機能、インタレース動画とプログレッシブ動画の変換機能、ダウンミックス対応AAC5.1チャンネル/2チャンネル・オーディオ・デコード処理機能、フルセグ放送チューナ用インタフェース、B-CAS用SIMカード・インタフェース、1500万画素のカメラ・モジュール用インタフェース、24ビット・カラー液晶ディスプレイ・コントローラなどを搭載する。
パッケージは2種類ある。携帯電話機に向けた超小型パッケージ品と、車載機器や携帯用民生機器などに向けた小型パッケージ品だ。前者は1GビットのMobile DDR SDRAMを同じパッケージに収納したSiP品であり、大きさが10mm×11mm×1.4mmの407ピンBGAパッケージ(ピンピッチ0.4mm)となっている。価格は1万個購入時の単価が3,500円。後者は大きさが21mm×21mm×1.9mmの449ピンBGAパッケージ(ピンピッチ0.8mm)で、DRAMは外付けとなる。価格は1万個購入時の単価が2,800円。
SH-Mobile MT1の製品名は「SH73704」。動作周波数が最大500MHzのSH-4A CPUコアや動画像処理アクセラレータのVPU(Video Processing Unit)コアなどを内蔵する。電源電圧は内部電圧が1.15V~1.3V、外部電圧が2.5V~3.6Vまたは1.65V~1.95V。内蔵RAMはILRAMが4Kバイト、RSRAMが2Kバイト。キャッシュは命令キャッシュ32Kバイト、データ・キャッシュ32Kバイトの4ウェイ・セット・アソシアティブ方式である。DSP用のXYメモリは16Kバイト。