STMicroelectronicsは、温度センサICにSPD(Serial Presence Detect)EEPROMを統合した「STTS2002」を発表した。
同センサICは、PCからから高性能サーバまで、幅広いコンピュータ製品に搭載されるDDR3 DRAMモジュールを対象としたJEDEC TSE2002規格に適合しており、同規格に準拠した精度の温度センサ機能とメモリ情報を格納するSPD EEPROMを組合わせた製品。
DDR3 DIMMモジュールの温度がプログラムされたしきい値を超えたことを温度センサにより検知できるため、システム内のCPUとチップセットは、クローズド・ループ・サーマル・スロットリング(CLTT)を実行することが可能となり、信頼性と消費電力の最適化を保証できるようになる。
また、CLTTにより、過度の温度上昇を検知するとデータ処理速度を動的に低下させるため、温度が許容範囲内に戻るまでの間、メモリの消費電力を減少させることが可能だ。
業界標準のSMBus(System Management Bus)インタフェース上でSPDおよび温度データの通信を実施するほか、競合製品と比較して消費電流を30%低減することに成功しており、システム全体の消費電力への影響を抑えることができる。
温度分解能は0.25℃で、精度は±1℃(規定動作温度範囲は+75℃~+95℃)。動作電圧範囲2.3~3.6Vで、シリアルSPD EPPROM(2Kbit)はエンド・ユーザ・アプリケーションでの書換え不可となっている。
なお、同製品はすでにサンプル出荷および量産中で、JEDECにより規定されたTDFN8パッケージ(2mm×3mm×0.8mm)で提供される。単価は、1万個以上購入時で約0.40ドルとなっている。