宮崎あおいが主演を務めることで話題となっている青春恋愛映画『ソラニン』。本作品の監督である三木孝浩監督が、映画『ソラニン』のティーチイン&トークショー付き試写会に登場した。

三木孝浩監督

映画『ソラニン』は、浅野いにお原作漫画の初映画化作品。夢と現実に葛藤しながら生きる若者たちの実態を描いている。

これまでYUIの「Rolling star」など、数多くのPV・ライブ映像を手掛けてきた三木監督は、同作品の依頼を受けた際「バンドをやっている子たちの話だったので、感情移入しやすく、是非やりたいと思いました」とコメント。原作から4~5年のタイムラグがあったため、世の中の情勢などを加味し、言葉の言い回しなどを工夫したが、作品内で取り上げられている、主人公の悩み事や将来に対する不安などは、どの時代の人間でも誰もが1度は経験する不変的なものなのではないかと語った。

映画『ソラニン』

音楽の夢をあきらめきれず、フリーターをしながらバンド活動を続ける彼氏の種田(高良健吾)。種田は、一度は諦めかけた想いを芽衣子(宮崎あおい)の一言で、想い起こし、仲間たちと「ソラニン」という曲を書き上げ、レコード会社に持ち込む。そんなある日、種田はバイクで事故で帰らぬ人に。遺された芽衣子は運命は・・・
写真:太田好治

また、キャスティングに関して三木監督は、「これまで"強い女性"を演じることが多かった宮崎さんが、不安や迷いがあり、弱さもある、どこにでもいる女の子を演じたらどうなるのか見てみたいという想いがあった」と語り、さらに「ソラニン」という楽曲自体が同作品の影の主役でもあるため、誰に楽曲制作を依頼するか非常に悩んだことを明かした。そのほか、同作のエンディングテーマであるASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ムスタング」は、元々ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がソラニンの原作にインスパイアされて作られて楽曲であり、原作者・浅野いにおは"ソラニン"というタイトルを、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのアルバム「ソルファ」を聞き間違えたことをキッカケに付けた名前であるという、同作品に纏わる面白いエピソードを披露した。

今回のイベントでは、映画ライターである森直人氏(左)司会のもと三木監督(中央)、ヴィレッジヴァンガードONLINE"中の人"・中本恵二氏(右)の3人が登場、「映画『ソラニン』に観る、現代の若者たちの想い」をテーマにトークショーを行った

最後に三木監督は「もともとマンガが好きで、若い作家さんでも面白いマンガを書いているなと思う人がいっぱいいます。そういう人ともやってみたいし、浅野先生の別作品もやってみたいですね。特に『世界の終りと夜明け前』が大好きなので是非映像化したいです」と次回作の抱負について語った。

映画『ソラニン』は、4月3日より全国ロードショー。

(C)2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会