ルネサス テクノロジは、デジタルスチルカメラ(DSC)や監視カメラなどのカメラシステム向けに、1280×720画素のHDサイズのビデオ録画・再生を可能とするシステムLSI「R8A30930BA」を製品化した。すでにサンプル出荷を開始しており、価格は5,000円としている。
同製品は、最大16Mピクセルの各種CCD/CMOSセンサに対応したセンサインタフェースを内蔵し、1,000万画素クラスの高速読み出しCMOSセンサにも対応している。
カメラ信号処理エンジンでは、光学劣化補正(シェーディング、歪み、色収差)、欠陥画素補正、画素補間、色補正、解像度変換(デジタルズーム)、AE/AF/AWB検波が可能だ。また、白飛び、黒つぶれを抑えるワイドダイナミックレンジ処理、特定色に対するノイズリダクション、複数の周波数特性を持つノイズに対応可能なノイズリダクションなども搭載しており、高画質化が可能となっている。
さらに、高速読み出しCMOSセンサとの相乗効果により高速連写が可能で、例えば画像サイズが10Mピクセルの場合、7fpsでの連続撮影が可能となっている。
コアには独自のマトリックス型プログラマブルプロセッサ「MXコア」を搭載。同コアは、1024並列の演算器とSRAM(128KB)を密結合した組み込み向け並列プロセッサIPで、コア部の消費電力は166MHz動作時で100mW(typ)となっている。
また、制御用のRISC CPUとして32ビットマイコンとして活用されている「M32R」を内蔵。ライブラリを用いたC言語のプログラミングによりMXコアの演算処理内容を柔軟に変更することができる。
なお、同社ではMXコア用に顔検出、笑顔検出、顔認証、逆光補正、美肌補正、超解像ミドルウェアを準備中としている。また、その他のミドルウェアとして、モルフォが静止画手ブレ補正「PhotoSolid」、パノラマ画像を生成する「QuickPanorama」などの画像処理ソフトウェアを準備中としている。
加えて、独自の1ウェイ方式の動画コーデックエンジンを搭載しており、動画圧縮伸張規格H.264/MPEG-4 AVC、MPEG-4に対応している。このため、近年のビデオ録画・再生への要求に対し、HDサイズ(1280×720画素)で最大30fpsのエンコードおよびデコードが可能となっている。