ミック経済研究所は3月9日、クラウドコンピューティング市場の実態に関するマーケティング資料「仮想化技術を要件に進展するクラウドコンピューティング市場2010年版」において実施した調査結果を発表した。
同調査は、国内クラウド市場の主要プレーヤー41社に面接取材を中心に行ったもの。
同調査では、クラウドコンピューティングを所有権の観点から、クラウド技術を活用したシステムのうち、すべてのIT資産がユーザーの資産である「プライベートクラウド」とクラウド技術を活用したシステムのうち、IT資産がサービス提供ベンダーの資産である「パブリッククラウド」とに分類している。
同社によると、2009年度のクラウドコンピューティング市場規模は、前年度比138.4%の1,941億円になる見込みだという。同市場は2009年度以降、年平均29.4%で成長し、2014年度には6,570億円の市場規模になり、6年間で市場は3倍強増となる見通しとされている。
2009年度におけるプライベートクラウド市場規模は1,354億円(構成比69.8%)、パブリッククラウド市場は587億円(構成比30.2%)となっている。同社では、2009年度以降、パブリッククラウドの比率が高まり、2014年度にはパブリッククラウドが約4割を占めると予測している。
現在のパブリッククラウド市場はSaaSが中心となっているが、今後パブリッククラウドが普及していくためには、SaaSに加えてPaaS(Platform as a Service)とIaaS(Infrastructure as a Service)がキーとなると、同社では指摘している。
PaaSとIaaSは、クラウドネイティブと呼ばれる外資系ベンダのサービスが注目を集めているが、国内ベンダも続々と同市場に参入している。