日立製作所は3月3日、情報通信システム分野の3つの研究開発拠点を1つに統合することを発表した。クラウドコンピューティングや環境負荷低減といった現在のIT業界における潮流への対応を強化し、研究開発のスピードアップおよび関連事業部門との連携強化を狙う。

同社における情報通信システム分野の研究開発は、高度な情報通信技術に支えられた社会インフラを構築する「社会イノベーション事業」の展開が主目的。「情報通信システムと電力・電機システムの融合」「真のグローバル企業への変容」「環境ビジネスの拡大」の3つを軸に、以下の3拠点で研究開発を行ってきた。

  • 中央研究所 情報通信システム開発部門(東京都国分寺市)
  • システム開発研究所 川崎ラボラトリ 情報プラットフォーム開発部門(川崎市麻生区)
  • システム開発研究所 横浜ラボラトリ 情報サービス開発部門(横浜市戸塚区)

これらを9月より横浜ラボラトリに統合、研究開発の効率向上を図る。統合後は情報・通信システム社、情報制御システム社や関連子会社との連携を強化し、グループをあげて社会イノベーション事業を拡大、社会のニーズに対応していくとしている。なお、同社は4月から新社長に情報・通信グループ出身の中西宏明氏が就任することが決定しており、社会イノベーション事業への積極的な注力を表明している。