日本ラドウェアは3月3日、アプリケーションスイッチ製品群の新シリーズ「Alteon 4」を発表した。
日本ラドウェア 代表取締役社長 秋元正義氏 |
Alteonは、昨年3月にカナダのNortelから事業買収したアプリケーションスイッチ製品群。買収の際の条件として、「Alteonブランドを維持する」、「提供済みAlteon製品に対するサポート/保守サービスを最低でも5年間継続する」、「新製品を開発し、マーケットに投入する」といった項目が盛り込まれており、それを遵守するかたちで事業を運営している。今回の新製品発表も、上記3つ目の項目に対応させたものになる。
なお、ラドウェアでは以前から、アプリケーションスイッチ製品群のブランドとして「AppDirector」を提供しているが、両者の大きな違いは管理機能にあるという。Alteonには、グラフィカルなコンソールを使用でき、管理が容易という特徴があり、AppDirectorには、コマンドベースの管理になる反面、高度な管理機能が搭載されているという。
Radware 副社長 ヤロン・ビーラス氏 |
今回発表されたのは、「Alteon 4408」と「Alteon 4416」の2製品。発表を行ったRadware 副社長 ヤロン・ビーラス氏は、昨年リリースした「Alteon 5412」と合わせ、ラドウェアの下で開発された3製品の特徴を紹介した。
まず、Alteon 4408およびAlteon 4416は、エントリー~ミッドレンジを意識した製品になる。いずれも、購入ライセンスによって性能上限を変更できるOnDemand Switchプラットフォームを採用しており、スループットはAlteon 4408で200M~4Gbps、Alteon 4416で1G~4Gbpsの中で数段階で変更できる。
最大スループットはともに4Gbpsとなっている両モデルだが、大きな違いはネットワークインタフェースにある。Alteon 4408はGbファイバーチャネルポートが2つ、Gbイーサネットポートが6つであるのに対し、Alteo 4416はGbファイバーチャネルポートが4つ、Gbイーサネットポートが12という構成になっている。
両製品の主な仕様は以下のとおり。
一方、昨年リリースされたAlteon 5412は、ハイエンド製品として位置づけられており、スループットは8G~20Gbpsの間で選択することができる。ネットワークインタフェースは、10Gbファイバーチャネルポートが4つ、Gbファイバーチャネルポートが4つ、Gbイーサネットポートが8つという構成で、L4で340K TPS、L7で220K TPSという最大処理能力を誇る。
Alteon 5412の主な仕様は以下のとおり。
ビーラス氏は、Alteon 4408、4416、5412の3製品により、「1Gbps未満から20Gbpsまで幅広いニーズにすべて対応できるようになった」と説明。しかも、OnDemand Switchプラットフォームにより、「ミッドレンジとハイエンドそれぞれの範囲で、ハードウェアを交換することなく、ライセンスを更新するだけで性能を拡張できる」(ビーラス氏)と語り、利用量の増加に合わせて、システムを停止させることなく、パフォーマンス上限を変更できることのメリットを強調した。
また、今回発表された3製品に関しては、Nortel時代のOS「Alteon OS」を継続して使用している。そのため、既存のユーザーに対しては、Alteon 4シリーズ/5シリーズを導入する際にも、改めて使い方を学習することがないというメリットがあるという。また、今年後半には27.0へのアップデートも予定されている。
なお、ビーラス氏は、Alteon事業がラドウェアに移り、サポートに関しても好評価を得ていることをアピール。バグフィックス版のリリースも事業買収後間もなくから行っているうえ、「対応が早くなった」などの意見を数多くもらっているという。