日本ネティーザは3月3日、2010年度のDWH(データウェアハウス)事業に関する戦略説明会を開催し、今後製品ラインを拡充するとともに、NECとのパートナーシップを強化することなどを発表した。

今回の発表内容の柱は大きく3つ。1つ目は「顧客ベースの拡張」。これは、同社がすでに国内で抱える50社以上のユーザーに対する増設などのリピートビジネスのほかに、初めてDWHアプライアンスを導入する新規ユーザーの開拓も含まれる。

2つ目は「製品ラインの強化」。具体的には、これまで「Netezza TwinFin」に集約されていた製品ラインを拡張し、5~10PB(ペタバイト)といった大容量ニーズや超高速処理への要求にも対応する。また、今春発表予定の「TwinFin "i-Class"」によって高度な分析プラットフォームを提供する。

新規ユーザーの開拓は、エントリーモデルという位置付けの「Netezza Skimmer」(2月23日に発表済み)がカギを握る。同製品について代表取締役 ダグラス・エッツェル氏は、シャーシを既存のラックに収めるだけという設置の容易性などを強調し、「部門レベルやソフトウェアの開発環境などに適している」としている。

日本ネティーザ 代表取締役 ダグラス・エッツェル氏

3つ目の内容は、「パートナーシップの強化」。これは、2月4日に発表済みのNECとの共同開発によるDWHアプライアンスを示すものだが、同社は今後NEC製のハードウェアと同社のソフトウェア、DB Acceleratorを統合し、国内のみならず、全世界に向けてNECブランドの製品としてDWHアプライアンスを市場展開していく。

同社執行役員技術本部長 法華津(ほけつ)誠氏は「高度な分析」に関して「(とりわけBI系の案件では)DWHアプライアンスの存在が前提になることが主流になりつつある」と説明。一般的に(仮想)モデル作成→解析といった2ステップによる工程が必要とされ、労力がかかる分析業務について、「膨大なデータをワークステーションに移すことなくTwinFin上で完結できるため、作業上のボトルネックがない」(同氏)という点をアピール。分析業務の生産性を大幅に改善できることも競合他社との差別化要素となっていることを説明した。

日本ネティーザ 執行役員技術本部長 法華津誠氏

年々競争が激しさを増しつつあるDWHアプライアンス市場だが、エッツェル氏は「チューニングを行わなければOLTP(On-Line Transaction Processing)の性能が出ないということになってしまうと、DBの管理は非常に複雑になる」とし、FPGAの性能向上や10年前からDWHに最適化して開発を行ってきた同社の背景に触れながら、「簡易性」「高性能」が同社の強みであるという点を強調した。