STMicroelectronicsは、55nmのEmbedded Flas(eFlash)Processを開発したことを発表した。このプロセスは次世代の車載用MCUに利用される予定である。同社は、フランスのCrollesにある300mmウェハの製造ラインでこのプロセスの量産を行う予定である。
この55nm eFlash技術は、同社が20年に渡り開発してきた技術を応用したものであり、また現在量産中の90nm eFlash Processの後継となる。車載向けマーケットの要求は、現在利用している90nm eFlash Processベースの製品を超えるものになりつつある。次世代の車載向けMCUには、より高い処理能力と省電力性、さらに安全性に関わる機能や環境基準準拠のための機能、あるいはADAS(Advanced Drive-Assistance System)といった多彩なニーズに応えるための大容量かつ多彩なメモリ構成が求められる。55nm eFlash ProcessはSTの車載向け32bit PowerアーキテクチャベースMCUロードマップの基礎となるもので、より高い性能と価値を顧客に提供することが出来る。
55nm eFlashの技術はCrollesにて開発が済んでおり、まもなく量産にかかる計画。同じ場所で開発と量産を行うことにより、高い安定性と品質、さらには長期間の供給保証が実現している。Crollesにおいて、STはすでに車載向けSystemにキーとなるIPを組み込んだEmbedded Flashのテストビークルを各種製造しており、今後は車載向けMCUの製造に取りかかる予定である。
55nm eFlash Processを使った製品は、当初エンジンマネジメントやトランスミッション、車体制御やSafety/ADASなどの用途に向けた車載向けとなる予定だ。最初の製品サンプルが顧客に出荷されるのは2011年中旬となり、車載向け製品としてのQualificationを取得するのは2013年を予定している。