ノベル 代表取締役社長 徳永信二氏

ノベルは、ディザスタリカバリおよびバックアップ用途のアプライアンス製品「PlateSpin Forge」を発表した。同社の仮想化ソリューション「PlateSpin Workload Management」の技術を使った、ノベルとしてはめずらしいハードウェア製品のリリースとなる。ノベルの代表取締役社長 徳永信二氏は「ディザスタリカバリ/バックアップはこれからの市場の伸びしろが期待できる分野。にもかかわらず、ベンダ各社は顧客の需要を掘り起こせていないところが大きい。PlateSpin Forgeは、そういったマーケットの拡大と顧客の需要に迅速に応えられる製品」と自信を見せる。

PlateSpin Forgeは既存のディザスタリカバリ製品に比べ、「設定が簡単で、低コスト、そして災害からの復旧後、切り戻しが簡単にできる」点に競合優位性があると同社 営業本部 SEグループマネージャー 鈴木広紀氏は語る。発表会のデモンストレーションでは、実際にPlateSpin Forgeを箱から取り出し、電源を入れてEthenetにつなぎ、IPアドレス/パスワードを設定して、待機サイトにデータを同期させるという一連の手順を披露、誰でも簡単に設定ができることを強調した。

PlateSpin Forgeは、2CPU/8コア、内蔵ディスク容量2.5TB、メモリ16GB(32GBまで拡張可)といったスペック。これ1台で最大25台のサーバを保護できる。ディザスタリカバリのほか、テスト環境での使用にも適している。動作時の音がややうるさいことが難点か……

Webベースの設定画面で簡単に保護するサーバを選択し、同期をとることができる。障害発生時は携帯端末などからも操作が可能。復旧時は、障害が発生したサーバと同じ機種でなくとも、データをリストアすることが可能だ

同製品は、統合復旧ソフトウェア、専用ストレージ、ハイパーバイザ、Webインタフェースを1つのアプライアンスに集約しており、同社独自の仮想化技術(PlateSpin Workload Management)を使って、物理/仮想サーバを問わずにデータイメージ(ワークロード)のバックアップを実行、レプリカを作成し、ハイパーバイザに保持して同期を取る。このときエージェントは介さない。障害発生時はイメージバックアップのレプリカを起動すれば、ただちに運用が再開する仕組みだ。同期も障害からの復旧もスムースかつスピーディに行える点が大きなポイントだ。あくまでイメージによるレプリケーションのため、待機サイト側のアプリケーションやOSライセンスは不要。最大でサーバ25台までイメージを作成/保持することが可能となっている。「サーバ25台を仮想化して保護したとすると、1台あたり約34万円程度のコストですむ。(競合他社製品に比べ)あり得ないくらいの大幅なコストダウンが実現できることになる」(徳永社長)

価格は基本構成の10ワークロード対応で542万9,400円から、25ワークロード対応で852万5,400円から(いずれも税別)。5ワークロード単位で追加購入できるアドオンが用意されており、最大で25ワークロードまで拡張できる。保護対象となるプラットフォームは、Windows Server 2000/2003/2008、Windows Vista、Windows XP Professional。