Linus Torvalds氏は2月24日(米国時間)、Linuxカーネル2.6.33のリリースを発表した。最大の変更点はNVIDIAグラフィックカード用ドライバ「Nouveau」の実装で、そのほかDRBD(Distributed Replicated Block Device)サポート、Perfツールの改善などが挙げられる。
NVIDIAドライバのNouveauは、もともとRed Hatを中心とする有志メンバーによるプロジェクトから派生した成果物で、Linux用にドライバを公開していないNVIDIAのカードをリバースエンジニアリングし、Linux + NVIDIAの環境でもスムースな2D/3Dアクセラレーションを実現するもの。今回、Linus Torvalds氏がもっとも実装を熱望していた機能である。なお、このプロジェクトにはNVIDIAはいっさい絡んでいない。
今回からカーネルベースでサポートされることになった分散ストレージシステムDRBDは、データのミラーリングを行うOSSで、可用性の高いクラスタをネットワークを介して構成することが可能になる。その名の通り、ブロックデバイスでミラーリングの場所を指定する。
その他、変わったところとしては任天堂の「Wii」と「ゲームキューブ」もサポートされている。
また、GoogleのモバイルプラットフォームAndroidは、今回よりメインツリーから外れている。