ルネサス テクノロジは2月13日、車載ソフトウェアの標準仕様である「Herstellerinitiative Software(HIS)推奨最適化AUTOSAR」に準拠したマイコン「R32C/100シリーズ」向け「Release 3.1対応マイコン依存部ソフトウェア(Microcontroller Abstraction Layer:MCAL)」を製品化、2010年3月よりサンプル出荷を開始することを発表した。
HIS推奨最適化AUTOSARは、AUTOSARのソフトウェア仕様「AUTOSAR Release 3.1」をミッドレンジマイコンなどにも適用できるよう、独自動車メーカー5社で構成されるHISがが推奨最適化コンフィグレーションとして仕様化したサブセット規格。
今回提供されるMCALは、独EB(Elektrobit)製のAUTOSAR Basic Software(BSW)「EB tresos AutoCore」と組み合わせて使用し、設計ツール「EB tresos Studio」ですべてのコンフィグレーション(設計開発システムの設定)を行うことが可能。これらを組み合わせて用いることにより、「R32C/100シリーズ」用「HIS推奨最適化 AUTOSAR」開発環境が整い、独ユーザーのさまざまなニーズに適合できるソリューションの提供が可能になるという。
また、従来のAUTOSAR仕様に比べて、プログラム量の低減が可能なほか、CPUの負荷低減も可能。R32C/100シリーズの512KBのROM内蔵品では、アプリケーションの処理時間を従来以上に確保することが可能になるという。
なお、同社では、同社の32ビットRISCマイコン「SH-2A」製品のHIS推奨最適化AUTOSAR対応を予定しているほか、AUTOSARから2009年末にリリースされたAUTOSAR Release 4.0への対応も進めていく予定としている。