大和ハウス工業は2月19日、奈良県奈良市の総合技術研究所で「スマートハウス」の共通ソフトウェアの評価・実証実験を開始すると発表した。共通ソフトウェアは、家庭内で用いる家電製品や住宅設備機器の制御・運転状況・使用履歴などの情報を収集するためのもの。
スマートハウスとは一般に情報化された住宅を意味するが、最近では太陽光や蓄電池、燃料電池などを含め、家庭内のエネルギーの最適化を行う住宅として注目されている。
今回の取り組みは、経済産業省の公募事業「平成21年度 スマートハウス実証プロジェクト」で、三菱総合研究所から再委託の形で実施するもの。開発にあたり、NTTコミュニケーションズ、ソラン、東芝ホームアプライアンスの協力を仰いでいる。
これまで、家庭内ネットワークを用いたサービスは特定メーカーの家電・設備機器を専用ソフトでコントロールしており、機器やサービスの互換性が制限されていた。そこで同社は今回、異なるメーカーの家電製品・設備機器を共通でコントロールできるソフトウェア「住宅API」を開発した。
同APIを搭載したホームサーバを用いれば、各居室の家電・設備機器の使用情報を収集して、エネルギーマネジメントやライフスタイルマネジメントを行うことができ、その情報を活用した新たなサービス開発も容易になる。
実証実験では、iPhoneやデジタルフォトフレームを利用して、家電機器や住宅設備機器の遠隔操作や自動制御などの動作確認を行う。
iPhoneのスイッチ機能(左)で家電を遠隔操作できる(右) |
また、家電使用情報を生かしたサービスの検証として、給湯器の温度設定やお風呂の炊き上げ湯量設定、エアコンの温湿度設定などの詳細情報をホームサーバに収集したり、各分電盤から収集した消費電力情報を管理センターに定期的に転送したりして、エネルギーの「見える化」を行う。スマートグリッドが整備された場合を想定し、電力需給情報や外気温度情報をもとに住宅内の家電・設備のコントロールも行う。
さらに、エネルギーの「見える化」サービスとして、住宅全体の消費電力や各部屋の消費電力を携帯電話・デジタルフォトフレーム・テレビなどで確認できることを実験する。そのほか、家庭内でできるエコアイデアやお得な電力料金メニューのお知らせなど、省エネ生活を喚起する「気付き情報」を携帯電話・デジタルフォトフレーム・テレビへ配信する。