「Please Rob Me」というサイトが話題になっている。直訳すると「私の家に空き巣に入ってください」となるが、サイトの説明によれば最近TwitterやGoogle Buzzなどに実装された位置情報を伴うコメント発信に警鐘を鳴らす意味があるという。
スマートフォンなどの携帯電話からTwitterやGoogleにアクセスしてインターネットにコメントを投稿すると、最近ではコメントとともにGPSの情報を基にした位置情報が付与されるサービスが用意されている。これはモバイル版TwitterやGoogleに実装されているGeo Tagサービスの一種で、もちろん無効化することも可能だが、相手に位置をあえて知らせることで友人と連絡をとりやすくしたり、撮影した写真も含めて自分の現在位置をアピールすることができるメリットがある。Google Latitudeなど、こうした仕組みを凝縮したサービスも存在するが、これにあえて警鐘を鳴らすのがPlease Rob Meだ。
Please Rob Meのサイトにアクセスすると、「Recent Empty Homes (最近の空き家)」という欄の部分に「(~) new opportunities」(カッコ内は数字)と表示され、Twitterユーザーの書き込み一覧が表示される。これはTwitterと連動して使われる「Foursquare」のサービスを引用したもので、ここで表示されているユーザーはすべて外出中であることを意味する。Foursquareは位置情報を使って自身の場所を示して相手に伝えるサービスであり、この位置情報をインターネットに投稿する"Check-in"と呼ばれる行為が行われているのは、つまり自分が出先であることの証明だ。New Opportunitiesということで、直近のタイミングだけでそれだけのユーザーが外出先から位置情報を送信していたことを意味する。
これら情報を基にすぐに空き巣に入れるわけでもないし、ましてやPlease Rob Meがそうした行為を推奨しているわけでもないが、位置情報が使い方によっては気持ち悪いものになる例としては悪くないだろう。
Googleが先日Buzzをリリースした際、2日経たずにセキュリティ設定の修正に追い込まれたが、今後もこうした問題は大きくなってくるだろう。なおZDNetが実施した簡易アンケートでは、Please Rob Meが倫理的な試みであるかについては賛否両論でほぼ意見が半々に割れており、位置情報サービスについて再び考え直すべきかという設問には7割近い読者が賛成意見を投じている。