三菱電機は2月16日、都内において、同社が自社の成長戦略に基づき行ってきた各種の研究開発成果の披露会を開催した。

出展されたものは、「環境・エネルギー」「ものづくり」「宇宙」「映像情報通信」の4分野18点で、このうち7件が当日新たな技術として公開された。

2009年度の研究開発成果として公開された18件の技術のテーマ

7件のタイトルは「多結晶シリコン太陽電池で世界最高効率を19.3%へ更新」「高効率薄膜シリコン太陽電池」「太陽光発電システムの出力最大化技術」「キャパシタ・リチウムイオン電池複合型蓄電デバイス」「次世代ハイビジョンテレビ(4K2Kテレビ)用超解像技術」「仮想化技術を用いた情報システムの信頼性向上技術」「有線・無線通信を統合した高速ホームネットワーク技術」となっている。

三菱電機 執行役社長の下村節宏氏

こうした成果について、同社執行役社長の下村節宏氏は、「多数の成果があるが、今回は当社の強みを生かせる18件を選んだ。現状、設備投資や個人消費の低迷が続いているが、中国などチャンスが広がる地域、分野が出てきている。そうした分野、地域に向け、強い事業をより強く、そして新たな強い事業の創出ができるのが今回の成果」と研究開発の成果を強調する。

三菱電機 上席常務執行役 開発本部長の久間和生氏

また、同社上席常務執行役 開発本部長の久間和生氏は同社の研究開発体制などについて「我々のイノベーションの創出とは、発明、発見に基づいて新製品を創出し、産業を大きく変革する行為」と説明。持続的イノベーションによる製品価値の持続的向上(強い事業をより強く)を狙っていくことに加え、破壊的イノベーション(パラダイムシフト)による新たな強い事業の創出を図ることで、社会の変化に対応を進めていくことで、イノベーションのバランスを最適化した経営に結び付けていくとした。

イノベーションを生み出すことが事業をより強くすることにも知財の拡充にもつながっていく

中でも環境・エネルギー分野については、「パワーデバイスや太陽光発電システム、ヒートポンプなど多岐にわたる事業を有しており、そうした強みを強化していくことで、2015年度に売上高1兆3,000億円超を狙う」(同)と意気込みを見せる。

強い事業をより強く、そして同時に新たな技術による未来の強い事業の育成を達成するために世界5拠点での研究開発が続いている