NECエレクトロニクスは2月17日、フラッシュメモリ内蔵32ビットマイコンとして、小型機器向けに外部接続端子や内蔵フラッシュメモリ容量を最適化した「V850ES」シリーズ78品種を製品化、順次サンプル出荷を開始することを発表した。量産は2010年6月からを予定しており、量産規模は2011年度で78品種合計で年間500万個を計画している。
同製品は、20MHz動作時において1MIPSあたりの消費電力を従来品と比べ約半分となる0.9mW(従来品1.7mW)へ削減することに成功。また、最大512KBのフラッシュメモリやUSB2.0、リアルタイム・カウンタの搭載など機能強化をした品種でも、待機時電流0.7μA(リアルタイム・カウンタ動作時)を実現。これにより、携帯情報端末などバッテリで駆動する電子機器の電池寿命の長時間化が可能になるという。
さらにパッケージとして標準的なQFPのほか、40ピンでボディサイズが6mm×6mm、48ピンで同7mm×7mmのQFNパッケージ(厚さ0.75mm)を採用、従来32ビット品(100ピンQFP、14mm×14mm)と比べて、外部接続端子数を半分以下、パッケージ厚さを46%、パッケージ面積を最大で82%削減することに成功したほか、小型薄型のデバイスとして、外部接続端子64ピンでボディサイズ5mm×5mm、6mm×6mm、外部接続端子113ピンでボディサイズが8mm×8mmのBGAパッケージをラインナップした。
このほか、「V850ES/Jx3」シリーズは今回のラインナップ拡充により、フラッシュメモリが16KBから1MB、外部接続端子数40ピンから144ピンまで合計117品種となったほか、既存品との互換性を維持しつつ、機能と回路を最適化することで、V850シリーズ全体でも、動作周波数20MHzから200MHzまでを同一アーキテクチャでカバーするラインナップが実現されることとなった。