『美しさと哀しみと』(1965年)より

2月20日より、東京国立近代美術館フィルムセンターの大ホールにて、篠田正浩監督の29本の劇映画と1本の長篇記録映画を上映する上映企画「映画監督 篠田正浩」が開催される。

1960年4月に『恋の片道切符』でデビューし、松竹ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として注目を集めた篠田正浩監督は、寺山修司や武満徹とのコラボレーションを通して新たな映画表現の可能性を探り、『乾いた花』(1964年)、『暗殺』(1964年)、『美しさと哀しみと』(1965年)で独自のスタイルと日本的な様式美を確立。

松竹退社後も『瀬戸内少年野球団』(1984年)、『少年時代』(1990年)、『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』(1997年)の少年三部作など良質の日本映画を発表し、『鑓の権三』(1986年)でベルリン国際映画祭銀熊賞受賞など国際的な作品でも話題となった。

同企画は、監督引退宣言を公言した『スパイ・ゾルゲ』(2003年)にいたるまでの29本の劇映画に1本の長篇記録映画の上映を通して、世界に誇る映画監督・篠田正浩の足跡と世界を回顧する。

なお、初日の『乾いた湖』上映後には篠田監督を迎えてのトークとQ&Aを予定。また、『夕陽に赤い俺の顔』上映前には舞台挨拶が行われる。上映作品やスケジュールの詳細はこちらより。

また、26日より同館小ホールにて1930年代末期から40年代初頭にかけてのアメリカ映画を上映する「NFC所蔵外国映画選集アメリカ映画史研究(3)」も行われる。詳細はこちらより。

「映画監督 篠田正浩」

会場 東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール
会期 2月20日(土)から3月20日(土)
休館 月曜
入場料 一般500円、高校・大学生・シニア300円、小・中学生100円