TOTOは2月15日、世界初の洗浄技術「ツイントルネード洗浄」を搭載したウォシュレット一体型便器「GG」を発表した。発売開始は4月1日。
GGの最大の特徴は、
- 国内初となるタンク式トイレでの4.8リットル洗浄を実現
- 新洗浄方式「ツイントルネード洗浄」
の2点だ。
TOTO レストルーム事業部 住宅商品開発第1部の浅田協二氏は、「環境への負荷軽減という配慮から、北米や一部欧州、オーストラリアなどでは、便器の洗浄水量は6リットルに規制されているが、米国の一部地域ではすでに4.8リットル規制が始まっており、これからのグローバルスタンダードは"4.8リットル"といえる」とし、グローバルに事業を展開する同社としては4.8リットル洗浄を実現できる洗浄方式が欠かせないとする。
一方で、国内においては「排出・搬送性能や壁排水タイプの横引き配管構造(集合住宅に多い)など、便器に対して世界で最もきびしいといえる条件」(浅田氏)を課されることになる。また、一般的な世帯では、価格が高めな「電気制御式」よりも「タンク式」が選ばれる傾向にあるが、現在普及している6リットルタンクに比べ、4.8リットルタンクでは水の位置エネルギーが小さくなり、さらに水量が減ることで洗浄の勢いが弱まってしまうため、従来の方式(水平トルネード + ゼット洗浄)では十分な洗浄効果が得られなかった。
今回、同社が新たに開発したツイントルネード洗浄は、便器のリム面から水平方向に便器ボウル面を洗浄する従来からの方式「水平トルネード」と、ボウルの下方にあるサイドゼット穴から流れ出るトルネードが垂直方向に回転し整流化する「垂直トルネード」の2つのトルネードを便器内で融合させる技術。これにより強力な旋回流が発生し、少ない水量でも効率よく汚物を排出・搬送することが可能になる。同社によれば、従来の大便器(13リットル洗浄便器)からGGに変更することで「年間142kgのCO2排出量を76kgまで削減(66kg減)」できるという。
ヨコの回転(上方)とタテの回転(下方)を組み合わせることで強力な旋回流を発生させるツイントルネード洗浄方式(実際に水を流している動画はこちら) |
従来の便器と比べると年間の水量も電力量も大幅に減ることに。世界の基準はもうすぐ4.8リットル! |
コンパクトな印象を与えるローシルエットデザインであることも特徴。トイレの狭さを感じさせないローシルエットは、最近人気が高い。加えてタンク水量も少なくて済む。「流すときに"水が足りない!"と感じることはまずない」(TOTO)とのこと。なお、男性の小用時や清掃時には「小」よりさらに少ない水量で洗浄できる「eco洗浄」機能も搭載している |
希望小売価格は23万6,250円 - 29万9,250円。販売目標は2010年度で1万台/月。なおTOTOでは同社の4.8リットル洗浄便器を「GREEN MAX 4.8」と名付けて、環境配慮性にすぐれた商品として市場に訴求していく構えだ。