米Adobe Systemsは2月15日(欧州時間)、現在スペインのバルセロナで開催されているMobile World Congress (MWC) 2010においてモバイル向けAdobe AIRランタイムの提供を発表した。同社は最新のFlash Player 10.1でiPhoneを除くほとんどのスマートフォンプラットフォームをサポートする計画を表明しており、AIRランタイムとの組み合わせでFlashの機能をより引き出すことが可能になると説明する。
なお、モバイル版Flash Player 10.1と同様に、モバイル版AIR 2.0でもスマートフォンで必須となるマルチタッチや加速度センサー、ジェスチャー、スクリーン位置調整などの機能を備えている。AIRコンテンツからこれら入力情報にアクセスして、それを実際の動作に反映させることが可能になる。
Flash Player 10.1とAIR 2.0ともに現在ベータ版であり、順次完全版での対応プラットフォームを増やしていく形になりそうだ。MWCではAndroid端末でのFlashやAIRの動作例が紹介されており、最初期にサポートされるスマートフォンプラットフォームはAndroidになると見込まれる。これらFlash PlayerやAIRの動作デモの動画はAdobeのDeveloper Connectionサイトで確認できる。ここではHTC HD2 (Windows Mobile 6.5)とNexus One (Android)でのFlash Player 10.1動作、Motorola Droid (Android)でのAIR 2.0動作のビデオ映像を見ることができる。このほか、Dell製タブレットのDell Mini 5でのFlash動作も確認できる。
今回の一連のデモは同社Flash技術のスマートフォン対応とOpen Screen Project (OSP)の進展状況をパートナーとともに報告する狙いがある。たとえば、MicrosoftはMWCで開催した発表会の中で最新のWindows Phone 7が現時点でFlash Playerをサポートしていないことを報告していたが、こうした溝を順番に埋めていくのが今後のOSPの課題となる。