IDC Japanは2月15日、国内企業のIT投資の動向を把握するため、昨年11月27日~11月30日にかけて国内企業のCIOを対象に実施した「IT投資動向調査」の結果を発表した。同発表によると、2009年8月に実施した前回調査と比較して、IT投資マインドは慎重であり、2010年度も引き続きIT投資は抑制傾向にあるという。

2009年度(会計年)のIT投資について、2008年度に対し「増加」と回答した企業は全体で14.7%(2009年8月調査16.1%)と前回の回答率を若干下回った。また、2008年度に対し「減少」が44.9%(同43.3%)、「同じ(変わらない)」が39.5%(同39.7%)となっており、前回調査から改善は見られず、企業はIT投資に慎重な姿勢を見せていると、同社ではコメントしている。

2010年度(会計年)の業種別の動向は、2009年8月調査時と比較すると、「製造」と「その他(官公庁ほか)」でIT投資を削減する傾向が他の業種より強く見られるほか、従業員規模別では、規模が大きいほど慎重な姿勢を示しているという。

2010年度の製品/サービス別の動向については、2009年度に対し「削減」の回答率が全体的に増える傾向が見られるが、セキュリティやコンプライアンスの分野では「削減」より「増加」の回答率が上回っている。

同社では、「回復に至っていない国内市場」、「ドバイショックや円高などの金融不安」、「新興市場の経済成長」が、国内企業の2010年度のIT投資に大きな影響を与えると分析している。

2009年度に関するIT投資の増減(前回調査との比較) 資料:IDC Japan

2010年度に関するIT投資の増減(前回調査との比較) 資料:IDC Japan