NPO法人子どもの危険回避研究所と情報誌「あんふぁん」は、新小学1年生を持つ母親395人に対して、子どもの行動範囲における防犯に関するインターネット調査を行った。調査期間は1月20日から25日まで。
子どもの小学校入学にあたり不安に感じることには96.5%の親が「犯罪や事故に巻き込まれること」を挙げた。次いで80.5%の親が「友達とのかかわり方」が不安であると回答、「勉強習慣のつけ方」は64.8%で3位だった。小学校入学に伴って子どもの行動範囲が広がり、所在がつかみにくくなることが親にとって一番の心配事だった。
次に、小学校の通学路・通塾路・遊び場所といった子どもの行動範囲において、危険と感じる場所があるかどうかを調査。63.8%の親がそういった危険な場所が「ある」と回答。具体的な場所としては「人通りの少ない住宅街・道」や「不審者が出ると言われる公園」などが挙がった。子どもを一人で行動させるには不安な場所は、平均で2.3箇所もあった。
しかし上記の調査結果にも関わらず、いざというときに頼れる人は、平均わずか2.1人だった。ご近所付き合いの希薄化が影響し、街中でのコミュニケーションが少なくなったことが防犯面において悪影響を及ぼしていると言えるだろう。また、97.2%の親は「子どももいざというときに自分の身を守れるように備えておく自己防衛の術が必要である」と回答。子どもの安全に対して大きな不安があるものの、共働きで送迎できないなどの事情が親側にもあることがうかがえる。
子どもが小学校に入学する際に、防犯ブザーを持たせたいと思っている親は全体の97.7%に上った。一方で、約半数の親が「防犯ブザーを持たせていれば、いざという時に子どもを危険から防げる」とは思っていないことも分かった。理由として「鳴らしても助けてくれる人がいるとは限らない」と答えた人が96.3%に上り、ここでもやはり「頼れないご近所」という不安を抱える実態が浮き彫りになった。
子どもが携行する防犯用品に対し親が求める理想の機能としては、親に居場所を知らせる機能=GPSがトップだった。GPSのような機能で子どもと「繋がっている」状態をつくり、「子どもがどこにいるか把握できる」「いざというときに駆けつけることができる」ことで、本当に意味のある防犯対策を打ちたいというのが親の本音のようだ。