イラン政府が国内からGmailへのアクセスを遮断したことがわかった。2月10日(現地時間)に米Wall Street Journalなどが伝えている。現在のところ遮断が確認されているのはGmailのみで、Twitterのようなソーシャルサービスや動画投稿サイトなどへはこれまで通りアクセスできている模様。
WSJによれば、イランの通信省は同日にGoogleの電子メールサービスへの接続を永続的に停止し、代わりに国民向けの新しい電子メールサービスの提供を近日中に開始すると発表したという。Googleでもこの事態を確認しており、イランのユーザーからGmailに接続できなくなったとのクレームを受けたほか、同国からのトラフィックが急減していることを報告している。一方で同社では問題解決の方策を検討中であり、「世界中だれもが自由にアクセスできる環境であるべきだと考えている」とその理由を説明する。イラン側では今回の措置を「地元のインターネット技術発展促進と、国民と政府間での信頼関係の構築」にあると述べている。
だが一方で、今回の措置は現政権のイラン・イスラム共和国設立31周年を前に、反政府運動封じ込めを狙ったものであることが指摘されている。WSJでも革命記念日前夜を前にして政府が反体制派の取り締まり強化を進めている旨を報じており、こうした反政府主義者がGmailなどの国外のサービスを活用している事実を受けての禁止措置である可能性が高い。
現時点で遮断が確認されているのはGmailのみで、他のソーシャルサービスやメールサービスなどの遮断は確認できない。実際、Twitterでは今回の禁止措置を受けてTweetが過熱しており、現地からTwitterを使って情勢をレポートする人物も存在している。