米Googleがブロードバンド接続サービス提供に乗り出した。同社は2月10日(現地時間)、1Gbpsの光ファイバーネットワークで一般家庭を結ぶ"超高速ブロードバンド"サービスの実験を米国で開始する計画を明らかにした。
米国の家庭用インターネット接続はケーブルまたはDSLがほとんどであり、1Gbpsの光回線は「大部分の米国人が利用しているインターネットアクセスの100倍以上の速度になる」という。実験プロジェクトでは、米国全体にいくつかの試験地域を選択し、光ファイバーネットワークを構築・テストする。少なくとも50,000人、最大で500,000人規模の試験サービスになるという。
光ファイバーネットワークを提供する上で、Googleは以下の3つの目的を挙げている。
次世代アプリ:太い回線によって可能になる新たな"キラーアプリ"またはサービスの開発。
新しい導入テクニック:これまでにない方法でのファイバーネットワーク構築から得たデータの共有。
オープンネスと選択肢:Googleのサービスは"オープンで透明なアクセス"を実現するネットワークであり、またユーザーに複数のサービスプロバイダーの選択肢を提供するものになる。
米国において超高速ブロードバンドを土台とした次世代アプリ/サービスの開発を促すという点では、日本のネットユーザーや開発者にも影響が及びそうだ。国際的な問題にもなっている"ネットの中立性"に関わるプロジェクトとしても注目されるだろう。
同社は2006年8月から本社のあるカリフォルニア州マウンテンビューで、無料ワイアレスインターネット接続サービスの試験提供を行っている。無料ホットゾーンによって地域のネット利用スタイルがどのように変わるかを探るのが狙い。今回の光ファイバーネットワーク提供も同様の実地検証を目的としている。ただし今回は"無料"ではなく、「競争力のある価格での提供」であり、ブロードバンド接続事業の可能性も模索するプロジェクトであるとも考えられる。
Googleは試験サービス地域を決める上で、「Google Fiber for Communities」のページにおいてRequest for Information (RFI:情報提供依頼)を開始した。一般コミュニティから地方政府まで、幅広い規模を対象に協力を求めている。こうした情報収集を3月26日まで行い、今年後半に試験サービス提供でターゲットとするコミュニティを発表するという。