仕事と家庭生活の調和を意味するワークライフバランスを昨今の経済情勢との関係から見た内閣府の意識調査結果がこのほど公表された。同調査により、ワークライフバランスの言葉自体を知っている人が5割を超えることがわかった。
同調査は、2009年12月18日~22日の間、インターネット上で実施したもので、全国の20歳以上60歳未満の男女2,500人が回答した。
その結果、ワークライフバランスの認知度では、18.9%が「言葉も内容も知っている」、35.4%が「言葉は聞いたことがあるが内容までは知らない」と回答し、言葉自体の認知度は5割を超えたことがわかった。
1年前と比べた生活時間について、「仕事の時間が(やや)やや減った」と答えた人は22.8%。その理由として、57.3%が「経済情勢の悪化により業務量が減少したため」と回答し、「組織全体として労働時間の短縮に取り組んだため」は9.5%にとどまった。また、27.7%が「仕事の時間が(やや増えた)」と答えており、その理由として「採用減や人員整理等により業務のしわ寄せが生じたため」(35%)、「経済情勢の悪化に対応するために業務量が増えたため」(23.4%)の順で回答が多く、労働時間の増減の理由はいずれも経済情勢の影響によるものが多いことがわかった。
1年前と比べた収入の変化では、「減った」または「やや減った」と回答した人は、全体の41.6%となった。その内訳は、仕事時間が減った人の85.1%に及ぶだけでなく、労働時間が増えた人も約3割が回答している。
一方、1年前と比べた生活満足度について、全体の47.8%が「変わらない」と回答し、「低下した」(21%)、「向上した」(2.8%)を大きく上回った。さらに、生活満足度を収入の増減で比較した場合、1年前よりも収入が増加した人の39.6%が「向上した」と回答。これに対して、収入が減少した人では55.3%が「低下した」と過半数を占めた。
また労働時間の増減により生活満足度を見た場合、「向上した」「低下した」と回答した割合は、労働時間が増えた人でそれぞれ25.2%、33.7%となった。一方、労働時間が減った人ではそれぞれ12.6%、56.5%と、労働時間が増えた人のほうが生活満足度が高い傾向を示した。
このうち、主体的要因により労働時間が減少した人では22.2%が「向上した」と答えているのに対し、経済情勢の影響などで労働時間が減った人は、「低下した」(64.9%)が「向上した」(4.8%)を大きく上回り、労働時間の減少が主体的な努力や取り組みでなければワークライフバランスにはつながらないという労働者意識が示される結果となった。