独SAP AGは2月8日(現地時間)、同社CEOのLeo Apotheker氏の退任を発表した。退任の理由は不明だが、同氏がSAPエグゼクティブボードとの契約を更新しなかったことを受けたもの。後任には、営業責任者のBill McDermott氏と製品開発責任者のJim Hagemann Snabe氏が共同CEOとして就任する。
Apothker氏は20年来にわたってSAPを支えてきた人物。SAPは"共同CEO"と呼ばれるトップ2名体制を敷く会社として知られており、同氏は2007年から2008年までCEO代理を務めた後、前任のHenning Kagermann氏とともに2008年4月から共同CEOに就任していた。共同CEO制の理由の1つはスムーズな業務の移管にあるといわれ、内外からの評価も高い方式だった。だが2009年5月にKagermann氏が退任し、現在までApothker氏による"単独CEO"の状態が続いていた。
Aptheker氏退任の理由は不明な部分が多いが、米Wall Street Journalなどが地元ドイツ紙らの報道として伝えるところによれば、SAPエグゼクティブボード会長で共同創業者のHasso Plattner氏が共同CEO制への回帰を切望している一方で、Apothker氏がこれに抵抗していたといわれており、結果として両者の意見が衝突したことに起因したとみられる。