F5ネットワークスジャパンは2月3日、BIG-IP v10.1関連製品の概要を紹介する説明会を開催した。
BIG-IP v10.1は、2009年12月に発表されたアプリケーショントラフィック管理製品群の新版。昨年の発表時にアクセス制御製品「BIG-IP Access Policy Manager」、WAN最適化製品「BIG-IP WAN Optimization Module」の2製品が追加され、今回の発表時にアプリケーションデリバリコントローラ製品「BIG-IP Edge Gateway」が加えられている。
上記3製品の特徴は以下のとおり。
BIG-IP Access Policy Manager
BIG-IP Access Policy Managerは、認証機能やポリシーベースのアクセス制御機能を提供するBIG-IP Local Traffic Manager向けソフトウェアモジュール。遠隔地の拠点やモバイルユーザー、ビジネスパートナー、顧客などによる各種アプリケーションへのアクセスを、事前に設定したポリシーに従うかたちで制御できる。さまざまなアプリケーションへの認証機能を集約することができ、「認証処理のサイロ化を防ぐことが可能」(米F5 Networks プロダクトマネジメント兼プロダクトマーケティング担当副社長 エリック・ギーサ氏)。シングルサインオン機能も提供する。
BIG-IP WAN Optimization Module
BIG-IP WAN Optimization Moduleは、WAN高速化を実現するBIG-IP Local Traffic Manager向けソフトウェアモジュール。圧縮技術や重複排除技術などによりトラフィックや大域幅を最適化して高速なデータ転送を実現する。転送レートは最大で現行の70倍にまで向上すると言い、ミッションクリティカルなアプリケーションのデータセンタ間レプリケーションなどでの活用を想定している。
BIG-IP Edge Gateway
リモートアクセスやモバイルアクセスを最適化するアプライアンス製品。クライアント製品が無償で配布されており、SSL VPNによるセキュアな通信が可能なほか、リモート/モバイルアクセスをLAN並みに高速化できるといった特徴がある。
また、Visual Policy Editorが無償で提供され、各種アプリケーションに対するユーザーごとのアクセスポリシーをビジュアルな画面で細かく設定できる。アプリケーションに対して優先順位を付け、一部のアプリケーションに優先的に大域幅を割り当てることも可能で、例えば、VoIPのトラフィックを優先させることで、パケットロスや遅延をなくし、ユーザーにストレスなく利用してもらえる環境を構築することもできる。
最大4万ユーザーまで対応できる拡張性を備えるうえ、同一ユーザーが異なる端末から断続的にアクセスする場合も、ログイン状態を保持することができる点も大きな特徴。
さらにF5では、同社製品に搭載されているトラフィック管理基盤「TMOS(Traffic Management Operation System)」にIP地理位置情報サービスを統合したことも発表した。同サービスで得た情報をF5のスクリプト言語「iRules」により処理することで、ユーザーのロケーションとアクセス状態を識別したうえで、最適なアプリケーション配信を行うことが可能だという。
価格は、BIG-IP Edge Gatewayが448万円~、BIG-IP Access Policy Managerが149万円~、BIG-IP WAN Optimization Moduleが179万円~。いずれも2月3日より販売が開始される。