米Microchip Technologyは、8pin/14pinパッケージのPIC16F61Xシリーズの新製品として「PIC12F617」を発表した。

PIC12F617は3.5KBの自己プログラミング可能なFlashメモリを持ち、10bitのA/Dコンバータ(ADC)、コンパレータ、PWMと閉ループ制御用VREFを、3mm×3mmのDFNパッケージに収めている。PIC12F617は民生用や産業用、医療用などさまざまな分野における汎用向け製品で、従来8bit PICを使っていた分野で、将来より大容量なメモリが必要とされる用途向けに最適である。

PIC12F617の3.5KBのFlashメモリはEEPROMと同程度に低コストで、かつリモートアップデートなどにも対応できるし、データの蓄積やLook-up Tableの構築も可能である。8MHzのオシレータを内蔵しており、4ch/10bitのADCやコンパレータ、PWMを内蔵することでLED照明の制御やモータ制御、容量式タッチセンサーやシステムモニタなどを構築することが出来る。

このPIC12F617に加え、「PIC12F609/PIC12F615/PIC16F610/PIC16F616」といった従来のPIC16F61Xファミリについて価格値下げも同時に発表した。PIC12F617は8binのPDIC/SOIC/MSOPと3mm×3mm DFNの各パッケージで提供され、1万個辺りの価格は0.56ドルからとなっている。PIC12F609とPIC12F615は8pin SOICパッケージで提供され、それぞれ1万個あたり0.49ドルおよび0.52ドルから、PIC16F610とPIC16F616は14pin SOICパッケージで提供され、やはり1万個あたりそれぞれ0.56ドルおよび0.65ドルからとなっている。

「PIC12F617」などのパッケージ外観

「PIC12F617」のブロック図

PIC12F617にはPIC12 MCU用のHI-TECH Cコンパイラ Lite版を含む無償のMPLAB IDEが提供される。この無償版はコードサイズに制限があるが、利用期間の制限はない。より高密度なコードが必要な場合、Standard/Pro版のHI-TECH Cコンパイラを使う事でコード効率と性能の向上が期待できる。加えてPICkit3 ICD/Programmer(44.95ドル)やMPLAB ICD3 ICD(219.99ドル)、MPLAB Universal Device Programmer(895.00ドル)やMPLAB Real ICE(495.00ドル)といったさまざまなデバッグ用ハードウェアも利用できる。MPLAB ICD用の8pin/14pinデバッグヘッダ(35ドル)が、PIC16F616やPIC12F617を利用する際には必要になる。これらの製品はすべてmicrochipDIRECTから購入可能である。