富士通は1月29日、2009年度第3四半期(10-12月)の決算を発表した。同発表によれば、売上高は、前年同期比で8.8%増の1兆1,467億円、営業利益は前年同期に対して588億円増の336億円となった。同期、全セグメントにおいて売上高と営業利益ともに黒字となった。
経常利益は308億円と前年同期比767億円の大幅な改善となり、四半期純利益は41億円と前年同期比448億円の改善となった。
第3四半期決算概要
2009年度第3四半期 | 前年同期比(%) | 第3四半期 累計 | 前年同期比(%) | |
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売上高 | 1兆1,467億円 | 8.8 | 3兆3,334億円 | △5.0 |
営業利益 | 336億円 | 588億円 | 153億円 | 20億円 |
経常利益 | 308億円 | 767億円 | 11億円 | 156億円 |
純利益 | 41億円 | 448億円 | 473億円 | 834億円 |
売上高は、2ケタ減収の続いた第1四半期、第2四半期からは大幅に改善し、前年度第1四半期以来6四半期ぶりの増収となった。ただし、前年度まで持分法適用関連会社であった富士通テクノロジー・ソリューションズやFDKの連結子会社化、ハードディスク事業の譲渡、為替の影響を除いた実質ベースではほぼ前年同期並み。
売上高、営業利益ともに、「テクノロジーソリューション」「ユビキタスプロダクトソリューション」「デバイスソリューション」の全セグメントで黒字となった。
執行役員上席常務でCFOを務める加藤和彦氏は、「テクノロジーソリューションでは、インフラサービスにおいて国内のアウトソーシングが好調であり、システムプラットフォームにおいてもサン・マイクロシステムズのUNIXサーバの出荷が回復してきた。ユビキタスプロダクトソリューションでは、PCがWindows 7のリリースの影響で出荷が増え、携帯電話も堅調に推移した」と説明した。
2009年度の通期業績予想は、売上高4兆7,500億円と前期予測からは500億円減額と下方修正している。500億円は国内と海外で2分される。これは、国内外でIT投資の抑制傾向が続いていること、欧州を中心に市況が低迷していることを織り込んだためだという。営業利益900億円、経常利益700億円、純利益950億円は前期予測から変更していない。
同氏は、「構造改革が第4四半期も続くので、計画ベースの利益が出るはず。課題はむしろ、"今年度以降の受注をどうやってとってくるか"にある。デバイスやオーディオなど、自動車向けの製品は自動車業界の景気の影響を受けるため、新車の販売がどのくらい伸びるかにかかっている。また、サーバは国内での販売が順調であり、今回サンの買収が完了したことで、顧客の不安感が払拭されたのか、販売台数が増えており、第4四半期以降も販売増が見込まれる」と、今後の展望について述べた。