BS朝日で2009年12月30日、31日に放送され、大きな反響を呼んだ番組「その先の光へ… ~写真家・十文字美信 新たな映像世界への挑戦~」と「映像革命! 動画の未来が変わる! ~デジタル一眼ムービーが拓く新世界~」が、1月30日と1月31日に再放送される。この番組では、キヤノンの一眼ムービーカメラ「EOS 5D MarkII」と「EOS 7D」の優れた動画機能「EOS MOVIE」と、それを活用する映像クリエイターたちが紹介される。

デジタル一眼レフカメラによる動画撮影の最新事情がわかる貴重な番組だ

写真家・十文字美信の新たな映像世界への挑戦とは?

写真家・十文字美信氏

「写真家・十文字美信 新たな映像世界への挑戦」では写真家・十文字美信氏による、「おわら 風の盆」のドキュメント映像制作の過程に迫る。「おわら 風の盆」とは、富山県八尾町に伝わるお祭りで、毎年9月1日~3日にかけて行なわれている。この祭りを、写真家の十文字美信がフルHDムービーで撮影・編集する。この動画撮影にはEOS 7Dが使われている。この祭りの映像が制作されたのは2009年10月のことだが、十文字氏の強い要望で再編集された。再編集に当たり十文字氏は、150時間もの映像素材を見直し、気になる部分を徹底的にチェックする。その様子からは、プロフェッショナルの映像に対するこだわりが強く見られる。

また、番組の最後には一週間をかけて再編集された「おわら風の盆 特別篇」がノーカットで放送される。十文字氏のこだわり抜いた美しい映像は必見だ。放送日時は1月30日 13:00~13:55。

デジタル一眼ムービーで撮影された映像に編集を施し、完成するまでの過程を垣間見ることができる

デジタル一眼レフカメラによる動画撮影最新事情

まるで写真撮影のような風景だが、動画が撮影されている

「映像革命! 動画の未来が変わる! ~デジタル一眼ムービーが拓く新世紀~」の番組のナビゲーターは、大の映画好きとして知られる俳優の別所哲也氏。番組の内容は、実際にプロの現場でEOS MOVIEを使っている日米のクリエイターを取材し、その魅力を探るというもの。

番組前半に登場するのは映像作家 高橋栄樹氏と、カメラマン 村上拓氏。高橋氏は矢沢永吉や佐野元春、AKB48のプロモーションビデオを手がけている第一線の映像クリエイター。番組ではEOS 7Dで撮影したAKB48のPV『RIVER』の制作現場が紹介されている。高橋氏は自衛隊の格納庫を使って撮影した事例を紹介し、「通常は短くても1日がかりで撮影していたダンスシーンが、たった3時間で撮影完了できた」と語っている。カメラが軽装備で済んだことと、ライティングに時間がかからなかったため、短時間で撮影が終わったとのこと。カメラマンの村上氏は、実際にEOS 7Dを使って別所哲也氏に動画の撮影方法をレクチャー。フォーカスコントロールや絞り、ISO感度の設定をわかりやすく紹介している。

PVの撮影などでは、デジタル一眼レフカメラによる動画撮影が多くなりつつある。制作コスト削減、撮影期間短縮など、様々なメリットがある

番組の後半はハリウッドのクリエイター ロドニー・チャーターズを取材している。彼は人気ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』の撮影監督を務める人物。ドラマのなかでEOS MOVIEは、主に背景の素材撮影用として使われた。ロドニー氏へのインタビューは、「EOS MOVIEとの出会い」について。性能に衝撃を受けたロドニーは、すぐにキヤノンに連絡を取り、その直後に『24 -TWENTY FOUR-』の撮影に導入したと当時の状況を振り返る。ロドニーがドラマ撮影に使うEOS 5D Mark IIは、Redrock Microのシネマセットが装着されており、完全に映画撮影スタイルにカスタマイズされていた。しかし個人的にスタジオ内で持ち歩くカメラは標準装備のEOS 7D。番組内では、「大きなカメラで撮影するときも、EOS 7Dをこっそり隠しておくこともある。コンパクトだし、しっかりと構えて撮ることもないから誰にも気づかれずに撮影できる」とコメントしている。放送日時は1月31日 15:25~15:55。

アメリカのドラマ撮影現場で、デジタル動画一眼レフカメラを導入した事例を紹介

このふたつの番組を観終えた直後、素直に「自分も映像をデジタル一眼レフカメラで撮ってみたい!」と思えた。業務用カメラのような大がかりな機材を必要とせずに、BS放送に耐えられるほど美しい映像を撮れるというのは、EOS MOVIEの大きな魅力。当然、カメラマンやエディターの腕に左右される部分も大きいだろうが、初心者でも一般的な家庭用ビデオカメラとは比べられないほど、手軽に美しい動画を撮れるという事は確かだ。

「映像に興味はあるけどビデオカメラにあまり詳しくない」という人は、番組を観る際に難しい事を考えずに、ただ"映像の奥行き"だけに注目して欲しい。番組中でも語られているが、画面内のどこにピントが合わせるかを自在にコントロールできるというのも、EOS MOVIEの大きな特徴のひとつだからだ。「この映像はどこにピントが合っているか?」を探しながら観ると、いつもと変わった映像の見方ができるはずだ。