米Texas Instruments(TI)は、低消費電力な16ビットDSPである「C5000」プラットフォームに属する新製品として、「TMS320C5514」と「TMS320C5515」を発表した。また、これを使っての開発を迅速に進めるために、全機能をカバーする「TMDXEVM5515」と、低コストの「TMDX5515EZDSP」という2種類の評価キットも同時に発表した。

「TMS320C5514」のブロック図

「TMS320C5515」のブロック図

TMS320C55xは最大120MHzの動作により従来品比で性能が20%アップしている。これにより、例えば音声やオーディオ、携帯通信端末などで新しいエンコード/デコードアルゴリズムを採用する余地が生まれており、これは医療機器でのリアルタイム診断能力の向上にも役立つ。またオンチップLDO(Low-DropOut Regulators)を含む電源管理機能を内蔵しており、ダイナミックに周波数/電圧を変更することが可能であり、携帯機器におけるバッテリー寿命を最大限に延ばすことができる。

TMS320C5514は、オンチップで3つのLDOを搭載する。1つはDSPコアで、残る2つはUSBとアナログサブシステム用である。メモリは最大256KB搭載し、これで不足の場合はSDRAMや、省電力が重要な用途にはmobile SDRAMも利用できる。周辺機器としてUSB 2.0、I2S、UART、SPI、MMC/SDおよびGPIOを搭載する。

TMS320C5515はこれに加え、オンチップのメモリを最大320KBに増やしたほか、最大1024点のプログラマブルなハードウェアFFTを搭載する。またLCDディスプレイコントローラや10bit/4chのSAR ADCを搭載する。C5515はC5514とピンコンパチブルとなっている。

全機能をカバーするTMDXEVM5515評価モジュールは395ドルで提供される。これはC5514とC5515の両方をカバーし、ライブラリやデモアプリケーションも同梱される。一方、79ドルのTMDX5515EZDSPは、USBスティックタイプで提供される。

TMS320C5514とTMS320C5515は無償サンプルが用意される。量産価格は1000個あたりで6.50ドル(TMS320C5514)と7.65ドル(TMS320C5515)である。評価キットはどちらも既に入手可能である。