それほど風呂が好きではない人からしたら、出張の際に温泉に入れても大して嬉しくないかもしれない。しかし、シャワーだけでお風呂を済ませる場合と湯船に入る場合とでは、疲労の抜け具合がまったく違う。

慣れない場所で仕事をしなければならない出張だからこそ、しっかりとカラダをリフレッシュさせて臨みたいではないか。

筆者の場合、一度、出張時に温泉付きビジネスホテルに宿泊して、すっかりその醍醐味に魅せられてしまった(もちろん、一流ホテルに泊まれるに越したことはないが!)。あるビジネスホテルでは露天風呂で満天の星空を堪能した。

自身の経験も踏まえ、日々忙しいビジネスマンの方こそ、出張時にちょっとした工夫で疲労を回復して万全の体勢でビジネスに取り組んでいただくべく、温泉を備える東京のビジネスホテルを紹介しよう。

なお、大浴場を備えているビジネスホテルを運営しているチェーンとして押さえておきたいのが、「アパホテル」と「ドーミーイン」の2大チェーンだ。どちらも全国にビジネスホテルを展開している。ただし、すべてのホテルに大浴場が備え付けられているわけではないので、必ず調べていただきたい。

蒲田黒湯温泉ホテル末広

蒲田黒湯温泉ホテル末広のWebサイト

蒲田駅前にある「天然黒湯温泉ホテル末広」は羽田空港に近く、飛行機で上京する方に便利である。同ホテルの温泉は地下から汲み上げている天然温泉だ。人工温泉を備えるビジネスホテルが多いなか、これは貴重。

黒湯は大田区や目黒区付近に湧いている温泉で、成分で分類すると「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉」だ。その名のとおり、湯の色は黒または黒褐色をしており、かなり特徴的な温泉だ。また、成分からわかるかもしれないが、黒湯はいわゆる美人湯の素である炭酸水素を含んでいるため、肌がツルツルする。男湯と女湯が用意されているので、ぜひ女性にもオススメしたい。

なお、温泉のみの利用も可能なので、付近のホテルに泊まった場合に入浴するという手もある。

アパホテル/

前述のアパホテルからは、アパホテル<日本橋駅前>とアパホテル<東京潮見駅前>を紹介しよう。

日本橋駅は東西線、銀座線、都営浅草線が通っているが、東京駅八重洲中央口まで歩くことも可能であり、東京の地下鉄が苦手な人には心強い(同ホテルのWebページによると、徒歩8分とのこと)。

一方、潮見駅はJR京葉線で、東京から3駅のところにある。また、アパホテル<東京潮見駅前>は、ビジネスカンファレンスがよく開催される国際展示場にも車で約10分で行くことができるので、カンファレンスに参加する際に利用するのもよいだろう。

両ホテルともに、ラヂウム人工温泉の大浴場と露天風呂を備えている。朝は6時から10時まで営業しているので、朝風呂にも入ることができる。日本橋駅前ホテルにはサウナもある。

アパホテル<日本橋駅前>(左)とアパホテル<東京潮見駅前>(右)の温泉の様子

ドーミーイン水道橋/東京八丁堀/秋葉原

ドーミーインからは、「炭酸泉人工温泉 楽楽の湯 ドーミーイン水道橋」、「亀島川温泉 新川の湯 ドーミーイン東京八丁堀」、「麦飯石人工温泉 すえひろの湯 ドーミーイン秋葉原」の3施設を紹介しよう。

ドーミーイン水道橋は炭酸泉人工温泉の大浴場を備えている。同ホテルのWebページによると、人工炭酸泉は「36度~38度の心臓に負担の少ない低温風呂。湯冷めしにくく、身体がすぐに温まり美肌効果がある」とのことだ。

ドーミーイン東京八丁堀は東京駅から電車で2分の場所にある。同ホテルの温泉はアルカリ性低張性鉱泉で、内風呂・半露天風呂・水風呂が用意されている。効能は筋肉痛や冷え性とのこと。

ドーミーイン秋葉原には麦飯石人工温泉の大浴場がある。同ホテルのWebページによると、麦飯石人工温泉は天然の麦飯石を用いており、身体を芯から温める人工温泉とのこと。効能としては、肩凝り、疲労回復、腰痛が挙げられている。

Webページを見るかぎり、ドーミーインの温泉はいずれもビジネスホテルとは思えないくらい豪華な作りで、温泉旅館に引けをとらないほどだ。

ドーミーイン水道橋(左)とドーミーイン秋葉原(右)の温泉の様子

さて、東京で宿泊可能な温泉付きホテルをいくつか紹介したが、「ぜひ泊まってみたい!」と思うホテルはあっただろうか? 個人的には、泉質がさまざまだったり、内装が豪華だったりと、それぞれ個性があって興味深かった。皆さんの出張ライフに少しでもお役に立てれば幸いである。