日本アイ・ビー・エムは1月21日、ビジネス分析やビジネス最適化の支援を行うサービス「ビジネス・アナリティクス・アンド・オプティマイゼーション(Business Analytics and Optimization以下、BAO)」」を強化するため、組織体制の拡充と人員増強を行うことを発表した。
BAOでは、膨大な情報の中から的確かつ精微な情報を抽出してデータの傾向や因果関係を見つけ出す分析、意思決定を行う上での確実性・予見性を提示してビジネス最適化を支援することにより、収益拡大やコスト削減などの意思決定を支援し、価値ある情報活用を目指す。
グローバル・ビジネス・サービス事業ビジネス・アナリティクス・アンド・オプティマイゼーションパートナーの赤坂正治氏は、「BAOがスタートしてから約半年間で、BAOに対するニーズが確実にあり、増えつつあることを把握した」と説明した。
同社は2009年8月にグローバルで398社のエグゼクティブに対し、戦略的情報活用に関する調査を実施した。同調査では、業績上位企業は意思決定をサポートする最先端のツールを備えており、また、企業が競争優位に立つために、情報を活用して意思決定を実行していく分野に注力していく考えを持っているという結果が出ている。
こうした状況を踏まえ、同社は今年1月に、BAOに関わる人員を昨年7月スタート時の約250人から400人に増やした。人員の増強は年内いっぱい続き、最終的には500名の増員が予定されている。
加えて、サービス/ソリューションもニーズに即した形で見直しを図った。「昨年7月に発表したサービスとソリューションは、海外や研究所で利用されているものが中心だった。これらを国内での実績に照らし合わせるなどしてこの半年で検討を行った。結果として、ニーズに合わないため、削ったサービス/ソリューションもある」と同氏。
発表会では、これから国内での展開を進めていきたいBAOのソリューションとして、「個人識別ソリューション」が紹介された。同ソリューションは米国ですでに実績があり、複数のルートから収集された顧客データ間の関係をリアルタイムに照合することで、顧客を識別する。クレジットカードの不正利用の防止など、リスク管理、マネーロンダリング対策、顧客管理などでの利用が想定されている。
従来の方法との違いは、「断片的な情報を蓄積し、総合的に判断して身元を判断できる」、「データを捨てないので、後から自動的に誤りを発見して訂正できる」、「リアルタイムで実行できる」という点だ。
同氏はBIとの違いについて、「"コンテンツマネジメントを用いる、"実データに評判や社外のデータを加えて知見を引き出す"、"データから導かれるアクションまで踏まえてコンサルティングを行う"といった点で、BAOはBIは異なる。BIは"コストの割に効果が少ない"など、ネガティブなイメージがあるので、違いを出していきたい」と説明した。