Skypeが世界最大の国際通話キャリアに――この結果を導き出したのは調査会社の米TeleGeography Researchが1月19日(現地時間)に発表した報告書だ。同社によれば、国際通話の伸びが年々鈍化するなか、Skypeは過去2年だけで年率50%以上の利用時間の伸びを見せており、2009年時点での全国際通話におけるSkypeのシェアは12%に達するという。
TeleGeographyによれば、過去25年にわたって電話機からの国際通話は年率15%ペースで伸び続けていたものの、過去2年においてはわずか8%程度と急速に鈍化してしまっている。例えば2009年の総通話時間は4,060億分で、2008年の3,786億分から7%強アップの水準に収まる。同社はこの傾向が昨今の不景気によるものではないと強く否定している。
その一方で好調なのがSkypeだ。Skypeのトラフィックは急上昇しており、インターネット経由の国際通話トラフィックは(両拠点がSkype同士の場合で)2008年に51%の伸びを見せたという。2009年はこれが63%伸びて540億分となり、一般的な国際電話と比較した際のシェアは2008年の8%から2009年には12%に達する。「Skypeは世界最大の国際通話キャリアだ」とTeleGeographyがいうように、国際通話において重要な位置を占めるようになった。こうした一般的な国際電話に代わる通信手段は徐々に増加してきており、Skype for PCだけでなく、Skype for MobileやGoogle Voiceなど、今後さらに存在感を増してくることになるだろうというのが同社の分析だ。
Skypeも自身のブログでこの件に触れており、TeleGeographyのレポートを執筆した米TeleGeographyの戦略担当バイスプレジデントのStefan Beckert氏が米ハワイのホノルルで行われたある会議で発した言葉「わたしの祖母がSkypeを使い始めたとき、Skypeが大きな転換点を迎えたと確信した」を引用している。