MariaDB, a drop-in replacement for MySQL with enhanced features and patches. |
MariaDB 5.1正式版のリリースが近づいてきた。13日(フィンランド時間)、MariaDBの最新版となるMariaDB 5.1.41 RCが公開された。すでに安定しているとみる向きが多いが、それでもベータ期間に4ヶ月という期間をかけてファイナルリリースへ向けて準備を進めている。主要開発者であるMonty ProgramのMichael Widenius氏は、RCの反応がよければすぐにでもファイナルをリリースするという旨をMonty says: Invitation to test MariaDB 5.1 release candidateで伝えている。これまでのリリース間隔からみると2010年3月にはファイナル版がリリースされるのではないかとみられる。
MariaDBはMySQLをベースに機能拡張や性能改善、新しいストレージエンジンを追加したオープンソースプロダクト。分岐したプロジェクトというのとはちょっと違う。「drop-in replacement branch of MySQL」という言葉がよくその姿勢を表しており、あくまでもベースはMySQLであり、MySQLの最新版と常に同期をとりながら、カスタマイズしたバージョンを提供していくのが「MariaDB」ということになる。
なぜ「MariaDB」のようなスタイルをとることになったのかといえば、MySQLのもともとの開発者がSun MicrosystemsやOracleといったMySQLの支援企業で働くことにモチベーションを見出せなくなったことに発端がある。MariaDBを開発しているMonty ProgramはMichael Widenius氏が設立した企業であり、そして同氏はMySQLの元々の開発者だ。Michael Widenius氏がより働きやすい場がMonty Programであり、MariaDBがその成果物ということになる。
MariaDBのバージョン番号はベースとしているMySQLのバージョン番号に対応している。ファイナルリリースが迫っているMariaDB 5.1はMySQL 5.1がベースだ。MySQLはデータベースエンジンのリプレースが簡単にできるといった特徴がある。この機能を使って各種機能を改善したものがMariaDBであり、そのため「drop-in replacement」という言葉が使われている。
MariaDBの特徴 |
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Mariaストレージエンジンをデフォルトで採用。MyISAMストレージエンジンのアップデート版にあたり、クラッシュセーフテーブルの実現、複雑なクエリの高速な処理の実現といった特徴がある |
XtraDBデータベースエンジンを同梱。InnoDBの代替版にあたり、最初からGoogleおよびPerconaエンハンスメントと組み込んでいる。MySQL 5.4相当のパフォーマンスを実現 |
FederateXストレージエンジンを同梱。Sunが提供し今では開発が実施されていないFederatedストレージエンジンの最新版となる |
PBXTストレージエンジンを同梱 |
スレッドプール機能を実現。もともとMySQL 6.0で採用が見送られた機能で、多くのコネクションがある場合や短い間しか使わないクエリがある場合などに有効な機能 |
そのほかバグ修正、スピード向上、エクステンション追加など |
当面の間、オープンソースソフトウェアのデータベースで最大のシェアをキープするのは、従来どおりMySQLであり続けるだろうと見られている。しかし、Sun MicrosystemsがOracleに買収されたことでMySQLの主要サポート企業はOracleになる。Oracle DBやそのほか有力なデータベースポートフォリオを有するOracleに競合のひとつであるMySQLが渡ったことを懸念するユーザは少なくない。オープンソースソフトウェアとして透明性を求めるユーザは、MySQLよりもMariaDBを採用する可能性がある。