NTTデータ経営研究所は1月18日、NTTレゾナントが運営する「gooリサーチ」登録モニターを対象に実施した「IT人材のプロフェッショナル意識調査2009」の結果を発表した。同発表によると、「60%のIT人材が将来の能力発揮に不安を感じており、半数が転職を考えている」と回答したという。

現在転職を考えているかを尋ねたところ、「転職を考えており、志望企業や人材仲介会社と接触している、または予定がある」(7.6%)、「転職を考えており、転職に向けた情報収集を始めている」(13.0%)、「転職を考えているが、具体的な行動は起こしていない」(28.5%)を合わせて、約5割が転職を考えていることがわかった。この割合は昨年よりも4.3ポイント増加している。

現在、転職を考えているか? 資料:NTTデータ経営研究所

転職を考えている人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのが「現在勤めている会社の先行きに不安があるため」(49.0%)だった。これに、「現在勤めている会社では、希望するキャリアを実現できないため」(24.5%)、「IT業界のSIからサービスへのビジネス構造転換によるスキルの陳腐化への不安のため」(9.2%)が続く。

さらに転職を考えている人に、転職先として希望する業種を尋ねたところ、上から「ITベンダー」(51.8%)、「情報システム部門(情報システム子会社含む)」(47.8%)とIT業界が続いた。しかし、第3位に「ITとは直接関係の無い異業種」(36.5%)が入り、3割以上の人が転職先にIT以外の業種を選択肢に入れている。この割合は昨年の30.0%よりも6.5ポイント増加している。

転職先として希望する業種は? 資料:NTTデータ経営研究所

また、将来今の職場・仕事でさらに能力の発揮ができるかを尋ねたところ、「今の職場・仕事でも会社内でも、さらなる能力発揮は難しいと思う」(22.6%)、「今の職場・仕事では難しいが、会社内にはさらなる能力を発揮できる職場・仕事があると思う」(37.7%)を合わせ、6割以上が今の職場・仕事ではさらなる能力の発揮が難しいと感じていることがわかった。

ここ1年間の人員整理・解雇の有無を尋ねた質問については、「所属部門内、外の両方で行われたようだ、または行われている」(5.6%)、「所属部門内など、身の回りで行われたようだ、または行われている」(14.9%)、「所属部門以外の社内で行われたようだ、または行われている」(15.5%)を合わせ、約4割が勤めている会社で人員整理・解雇が行われたと答えている。

さらに、人員整理・解雇が行われたと答えた人にワークモチベーションに対する影響を尋ねたところ、「低くなった」(24.6%)と「どちらかといえば低くなった」(50.8%)を合わせ、7割以上がワークモチベーションが低下したと感じている。