UbuntuリリースチームのSteve Langasek氏は1月15日(グリニッジ標準時)、Ubuntu Linuxの次期バージョン「Ubuntu 10.04 LTS(開発コード"Lucid Lynx")」のアルファ第2版「Ubuntu 10.04 LTS Alpha 2」を公開したことを発表した。派生バージョンのKubuntu、Xubuntu、Edubuntuなども同時にアップデートされている。収録ソフトウェア/パッケージのアップデートのほか、NVIDIAサポートの拡充やクラウドコンピューティング環境の向上が図られている。
Ubuntu 10.04 LTS Alpha 2ではカーネルにLinux 2.6.32-10.14を採用、KDE版のKubuntuでは、KDEの次バージョンKDE SC 4.4のリリース候補版(RC1)が使われている。その他の変更点としては、
- HALの完全削除 → 起動およびレジュームの高速化
- Active Directoryの認証を可能にするパッケージ「Likewise Open」のバージョン5.4へのアップデート
- 3つのNVIDIAのドライバが新たに利用可能に → nvidia-190.53 / nvidia-173 / nvidia-96
- Ubuntu Enterprise Cloud(UEC)のインストーラが大幅に改善 → さまざまなトポロジをサポート
また、報告されている既知の問題点としては
- ワコムのドライバが使えない
- KubuntuはISOファイルのサイズが大きすぎてCDに焼けない → DVDかUSBメモリ推奨
- 32ビットアプリケーションで3Dアクセラレーションを有効にすると動作しないことがある → Alpha 3で対応予定
- Windows用Ubuntuインストーラ"Wubi"が含まれていない → Alpha 3で対応予定
- EdubuntuのテキストインストーラからはLTSP(Linux Terminal Server Project: 複数人で同時に1つのコンピュータを使えるようにするOSS)がインストールできない
などが挙げられている。
Ubuntu 10.04 LTS Alpha 2は開発者向けのアルファバージョンであり、一般ユーザの使用は推奨されていない。
ISOファイルの入手は以下のサイトなどから行うことができる。