独SAPは1月14日(現地時間)、組織改変と日本を含む経営陣の新人事を発表した。顧客フォーカスを強化し、市場ニーズへの対応を加速する狙い。顧客フォーカスの一部として、サポートサービス「SAP Standard Support」復活も明らかにしている。

組織改変は、2008年のBusiness Objects買収完了とその後の組織統合を受けたもので、2010年4月より有効となる。

まず、新たに2つのボードを設ける。1つ目のボードは、Business Objectsの元CEO、John Schwarz氏(SAP取締役、SAP Business Objects責任者)の下に設置する「Industry and Solution Management Board」。このボードは、市場や顧客の要求を業界向け製品ポートフォリオやソリューションに反映させる役割を担う。

2つ目のボードは「Product Design and Development」で、SAPの技術プラットフォーム全体を統括する取締役Jim Hagemann Snabe氏の下に設置する。最新技術を迅速に取り込んだ最高クラスの製品を提供する役割を持たせる。

人事では、アジア太平洋・日本(APJ)社長のGeraldine McBride氏が退社、APJでCOO(最高執行責任者)のSteve Watts氏が引き継ぐ。グローバルフォーカスを強化するため、SAPジャパンの社長、Garrett Ilg氏とドイツ・オーストリア・スイス(DACH)の責任者、Michael Kleinemeier氏の両氏はGFO(Global Field Operations)チームに参加、GFO担当社長兼取締役のBill McDermott氏に報告する。インド市場も強化し、EMEA(欧州・中東・アフリカ)の一部となる。

サポートでは、2009年に廃止されたSAP Standard Supportが復活、高価なフルサポートサービス「SAP Enterprise Support」と2種類から選択できるようになった。