富士フイルムは、映画用デジタルフィルムレコーダー出力フィルム「ETERNA-RDI」の開発により、米国の映画芸術科学アカデミーが選定する2009年度科学技術賞の"Scientific and Engineering Award"を受賞することが決定した。

映画用デジタルフィルムレコーダー出力専用フィルム「ETERNA-RDI」

近年、映画製作において、映像情報をデジタル化し、デジタル処理で合成・色補正・編集を行いデジタルマスターを作成する「デジタルインターメディエイト(D.I.)」という手法が急速に普及しておリ、劇場公開時にデジタル処理された作品をフィルム上映するためには、デジタルマスターからデジタルフィルムレコーダーを用いて映像をフィルムに記録(露光)し、オリジナルフィルムを作成する必要がある。

ETERNA-RDIは、同社が発売した世界で初めてデジタルフィルムレコーダー専用に設計された高性能フィルム。同社独自の「スーパーエフィシエントカプラー技術」により、イメージシャープネスの大幅な改良を実現。高精細なデジタルマスター映像をより忠実にフィルムへ出力することを可能にした。

また、従来のフィルムに比べてデジタル出力に重要な階調直線性や色分離性を改善することによって、デジタルフィルムレコーディングにおける色再現性を向上させている。

今回の受賞は、同フィルムにより映画製作のプロセスにおける画像品質の向上とワークフロー改善に大きく貢献したことが評価されたとのこと。授賞式は、ロサンゼルスにて2月20日に行われる予定。